RJTT LDA22 approach | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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最初に断っておきますと、きょうは航空関係のオタクなお話です。

みなさんは飛行機で羽田空港に降りられたことはありますか。どの滑走路でしたか。

 

こんばんは。

トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

羽田空港の

今年から羽田空港に着陸する航空機の一部が都心上空を飛ぶようになって話題になりましたね。

新宿や六本木の上あたりを飛ぶのですよね。また見に行きたい…

きょうお話するのは、10年前、2010年の3月から新設された羽田のアプローチ(進入方式)のお話です。

そのアプローチ、LDA(Localizer Type Directional Aids)アプローチといいます。

Rwy(ランウェイ)22(B滑走路)とRwy23(D滑走路)に設定されていて、

それぞれLDA22、LDA23といいます。

きょうはそのうちのLDA22のお話。

 

羽田空港。写真はGoogleマップより

 

電波に乗って

飛行機って、どうやって滑走路に向かって降りて行くのか知っていますか。

もちろん滑走路を目視しながら降りて行く(ビジュアルアプローチ)方法もありますが、

少し大きめの空港の滑走路にはたいてい電波を出す設備があって、

その電波に乗って降りていく(ILSアプローチ)やり方も多いです。

電波を使うのにはVORアプローチというのもありますが、ここでは割愛。

そのほか珍しいものでは、無線で「少し右、ちょい上」とか指示されながら降りていく、

GCAアプローチなんていうのもあります(小松、那覇、千歳、美保など自衛隊共用空港に多い)。

さて、そのILSの『電波の道』、滑走路に向かってまっすぐに引かれていれば理想的なのですが、

そうではない場合もあるのです。

 

電波の道

滑走路(に備えられたアンテナ)から電波を出して、それに乗って降りていくやり方やシステムを

ILS(Instrument Landing System)というのですが、この電波には2種類あって、

まず、横方向(左右方向)のガイド電波をローカライザー、

そして、縦方向(上下方向)のガイド電波をグライドスロープといいます。

この電波の道、滑走路の延長線上にまっすぐ引かれていない空港、じつはいくつかあるのでした。

那覇空港Rwy36R、富山空港Rwy20、羽田空港Rwy23(D滑走路)など。オフセットILSといいます。

電波に乗って降りて行って、滑走路が見えたら手動で滑走路に向け直して着陸する…。

ちなみに羽田のRwy23は、浦安市街上空を飛行コースから外すためにオフセットされているのでした。

ネズミランド対策?

 

さて、このローカライザーを進入のガイドとして使うのですが、滑走路に対する進入角度55度という、

大きなオフセットを持つ日本で唯一の進入方式、それがきょうお話する、LDAアプローチ。

 

LDA22

羽田空港で南風好天時におこなわれる進入方式が、LDA22(と、LDA23)。

江東区の海の森公園の東側あたりにローカライザー電波を出す設備があって

(下の図のIKLと書いてあるあたり。あの島はなんていう名前なんだろう…)、

その電波に乗って千葉方向から磁方位277度(ほぼ西)に向かって降下(点線の部分)、

羽田直前、陸地にかかるあたりでB滑走路に向けて左旋回し、城南島をかすめるように進入する方式。

B滑走路、Rwy22は磁方位222度ですので、滑走路直前で55度もひねり込んで降りていくのです。

どうです、挑戦のしがいがあるアプローチだと思いませんか。

 

 

さて、神戸市のフライトシミュレーターのお店『テクノバード』さんが、

このLDA22アプローチの実演をYouTubeにアップされていますので、ブログとともにご覧ください。

 

体験談

じつはこのアプローチ、2度ほどやってみたことがあるのです。

あたりまえですが、もちろんシミュレーターでです。

一度目は、羽田にあるフライトシミュレーターのお店『ラグジュアリーフライト』さんで…

まだND(ナビゲーションディスプレイという、カーナビみたいな計器)の見方もよくわかってなくて、

今いったいどこを飛んでいるのかもわからずFD(フライトディレクターという、計器のガイド)に

かじりついて飛んでいて、気がついたら目の前が滑走路でグダグダでした(*_*)

二度目は前出の、神戸の『テクノバード』さんで…

動画にもあるのですが、自分が降りる滑走路が見えてくると、無意識にそっちへ向かいたくなるのです。

「まだです」と言われてしまったのでした…。

早く旋回しすぎると降りられませんし、Rwy23との並行進入がおこなわれますから、

その意味でも、早すぎる旋回は御法度。

難しいです…(*_*)

 

 

難しいこと…

さて、飛行機の操縦でいちばん難しいことって、何だと思いますか。

もちろん着陸だって進入だって難しいのですが、もしかしたら、エアワークかも…

たとえば、速度は変えないで360度旋回する間にピタリ1000フィート上がる、とか…

そもそもまず速度も高度も変えないで旋回するのが至難なんですよね…(ぼくにとっては)

『よし、まずまず安定してるかな…』と思っていると、

「20フィート(6メートルくらい)低いです!」とか言われてしまうのです(*_*)

これは羽田のラグジュアリーフライトさんでのお話。あそこ、やたら厳しいです…(>_<)

 

実際の羽田では

実際に飛行機で羽田に降りたことは何度かあるのですが(もちろん乗客として)、

いつも34Rばかり!(C滑走路)

いつか実際の飛行機で、LDA22アプローチを体験してみたいと思うのでした。

その時は右側の座席がいいな…

 

どこでおぼえたの?

さて、アプローチ方式だとか空港設備だとか、いったいどこでおぼえたと思われますか。

いろいろなのですが、ある、元ANAパイロットさんのブログを長く読んでいて、

そこでいろいろおぼえましたね…。ここに書いたLDAアプローチのことも、そのブログで勉強しました。

パイロットさんのブログっていろいろあるのですが、あまり運航のことは書いてないものが多い…

でも、その方のブログには運航の実情が赤裸々に書かれていたりして面白く、勉強になるのでした。

 

もしもう一度

ところで、もしもう一度職業を選べるとしたら、パイロットになりたいか…

う~ん、、無理(^_^;

パイロットって、ただ操縦が出来るだけではなくて(それだけでも大変なのに…)、

操縦しながら暗算したり無線を聞いたり、マルチタスクができないといけない…。

まず、英語が堪能でなければなれないし、おぼえることも多い。試験も多い…。

どんなことでもそうなのでしょうけど、趣味でやるのと仕事にするのとでは全然違いますよね。

 

さて、あなたはもう一度職業を選べるとしたら、何をやりたいですか。