無責任なアドバイス | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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みなさんは、たとえば合わせの現場て、求めてもいないアドバイスをされたこと、ありませんか。

また、逆に、うっかりしてしまったことはありませんか。
 
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 
 

無責任なアドバイス

よくブログを引用させていただくトランペット奏者の荻原明さんが、こんなことを書いておられました。
読んでみてください。
さて、どう思われますか。
まったくその通りだと思います。
 

ただの指摘

こういう『無責任なアドバイス』ですが、まずありがちなのが、ただの指摘…。
たとえば、「音が揺れますね」とか、「揺らさないようにしようね」など…
現状を指摘するだけでは、なんの益にもなりません。
さらにこれ、本人はすでに重々わかっていて気にしていることかもしれない。
それを、ただ指摘だけするっていうことは、精神的に追いつめていることにもなりかねない…。
まったく余計なことであり、100%、マイナスでしかありませんよね。いろんな意味で…。
 

決めつけ

荻原さんのブログに出てくる「そのアンブシュアじゃ上手く吹けないよ」など、
まったく最低と言わざるを得ません。
楽器の吹き方って人それぞれであり、唯一の正解があるわけじゃない。
自分がうまくいっている、でもこの人は、それとは違う吹き方をしている、
そんな程度の理由で出た言葉なのだとしたら、まったく無責任に過ぎます。
そんな無責任な言葉は、その人を迷路に追いやるだけです。
あなたの吹き方で、ひとつのやり方で、誰もがうまくいくわけではないのです。
自分がうまくいくと、それを普遍的なセオリーだと思いたくなる、
その独りよがりを捨てることが、ほんとうに人に教える人には必要なのではないかと思うのです。
 
 

潰しにかかる人

「そのやり方じゃうまくいかないよ」なんて指摘することは、
その人を半ば潰そうとしていると言われても仕方がないように思います。
それを意図してやっている最低な人もいるかもしれませんが、
もしかしたら無意識にやっている人もいるのかもしれません。
その方がむしろ、タチが悪いですよね。
仲間に敬意を持てないようでは合奏なんか出来ません。
ほんとうに敬意を持っていたら、無責任なアドバイスなんかできませんよね。
自戒も込めます。もちろんぼくはそんなことは言いませんが、心の中で思ってしまうことは…
 

アドバイスって

アドバイスとか指導とかレッスンって、自分の知識を披露することではありません(昭和のレッスン)。
自分の知識、自分の技術、それを披露したりひけらかしたりする場ではないんですね。
ついついやってしまいがちなのかもしれません。
それに、レッスンって、自分の主義や流派を押しつけることではありません。
どうすれば、より望む演奏に近づくのか、それを相手と一緒に探求して見つけ出していくこと
これが、アドバイスやレッスンだと思うのです。
それは荻原さんも書いておられるように、一回では完結しないことの方が多いです。
そしてそれはもちろん、相手が望んで求めてきて初めて成り立つものです。
 

求められてもいないのに…

ぼくも過去にはあります。求められてもいないのにアドバイスして、そのあととても後悔したこと…
アドバイスって、相手が求めてきて初めて、意味を成し得る可能性を持つものです。
もちろん、なにか演奏を聞けば、気づくことはたくさんあるでしょう。
でもそれは、伝える必要のないことです。たとえそれが、どんなに正しかったとしても…。
言いたがりの人、いるでしょ。
でも、言いたがりの人ほど逆に、なぜかむしろ未熟な人だったりするようにも思うのです。
そんなことないですか?
 
相手に求められてもいないアドバイスは、余計なお世話です。
逆に、アドバイスが欲しいと思ったら、勇気を出して訊いてみる。
そして、一緒に演奏する仲間には敬意を持って接したいですね。