みなさん、2番吹きといわれる人にはどんな適性が必要とされると思いますか。
以前に聴いた、名人芸…
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
2番吹きの名人芸
以前、名古屋のコンサートホールで、あるヨーロッパのオケを聴いた時の話…
トロンボーンの2番の人が、ほんとうに名人芸だったのですよ。
音は太くふくよかで、でも暗すぎず、そして包容力があって…
たとえば1番とオクターブで動く時、当然、上より少し大きめに奏するのですが、
それでいて、決して音が割れたりしない。どこまでも包容力があって、そして安定していて…
でも、このホールにいるお客さんのいったい何人くらいが、あの名人芸に気づいているだろう…
2番吹きって、そういう仕事ですよね。
余談ですが、やっぱりナマで聴くのがいいです。
花のワルツとかあったのですが、チェロのあの音!
鳥肌立ちましたよ。
やっぱり音
たとえば高音域の安定性とかテクニックとかは、練習次第でできるでしょ。
でも、あの太くふくよかであたたかい包容力のある音、あれって、さらえば出来るってものじゃない。
下吹きって、上より音が太くなきゃいけない。
じゃないとセクションはサウンドしませんから。
ぼくも、少し太い音の上吹きの下で吹いていた時、悩んだりしました。
マウスピースを変えたり、いろいろやりましたよ。
でもこれって、べつにプロの世界に限った話ではなくて…
スクールバンドで
あるスクールバンド、コンクール前にトロンボーンパートの練習を見ていました。
自由曲に、なんだかイマイチハーモニーしないなぁ…、というところがあって…
音程?バランス?…、そういうことではないようです。
で、あっ、と思って、
「○○さんと□□さん、ここ、音、取り替えてみようか」と、やってみたら、
気持ちよくハーモニーするではないですか!
感想を伝える前にみんな、「この方がいい!」と、一致した反応でした。
下を吹く人の方が、より太くふくよかな音であること、これってこんなにも大きなことなのですね!
2番を吹きたい
まだ大学に入る前でした。先生に、「2番吹きになりたいんです」と言ったことがありました。
上にぴったり付ける技、ハーモニーを支える役割にどこかあこがれていたし、
なんだか性格にも合っている気がしたのです。そしたら先生…
「最初から2番を目指すやつはおらんで」って…。
そうかもしれません。
ただ言えることは、2番って、1番が吹けなかったから吹くもの、ではないのですね。
1番は吹けないから2番を吹く、ではないし、2番は吹けないから1番を吹く、も、違うと思うのです。
そしてそれぞれに、その面白さや醍醐味があると思います。
そういえば、パートの振り分けの時、性格で決めるという先生もいましたね。
さて、あなたはどんな要素がいちばん大切だと思いますか。
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