教えることって | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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先生だけではなく、先輩になったら、後輩を教えなければならないことがあるかもしれませんよね。

教えるって、どういうことなのでしょうか。
 
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 
 
教えることって何だろう…
 
教えるって、どういうことだと思いますか。
自分の知っていることを伝えること?
生徒や後輩を思い通りに動かすこと?
自分の主義主張ややり方を伝えること?
伝統やしきたりに染めること?
かつて自分が教えてもらったように教えることでしょうか?
ちょっと極端でしたね…。
でも、これに近くなっていることって、ないですか?
 
 
 
披露する場ではなく
 
教える場って決して、自分の知識や研究成果や経験を披露する場、ではないのですよね。
その知識や研究や経験は、もしかしたらとても立派ですばらしいことなのかもしれない。
だから、披露したくもなる。それもわかるのですが、でも…
それって、今、目の前の生徒や後輩にとって、はたして必要なことなのでしょうか?
これは、1対1で教える時でも、合奏などを指導する時でも同じです。
今、それ、ほんとうに必要?
 
 
見つけたことを全部伝えるのではなく
 
見つけたこと、気づいたこと、これを全部伝えることが、教えることなのでしょうか。
見つけた問題点、改善すべき点を、とにかく全部指摘すること?
できるだけたくさんダメ出しすること?
そうすれば、良くなるだろう…
そう思ってしまうことって、案外多いのかもしれません。
では、今、目の前の生徒や後輩に、いちばん必要なことって、何でしょう。
 
 
 
なりたい形は?
 
ダメなところって、先生や先輩に指摘されるまでもなく、本人さんは気づいているのではないでしょうか。
もし気づいていなかったとしても、ひとつ大切なことは、
悪いところを直すことと、より良くすることは違う、ということ。
どちらが、必要なことなのでしょう。どちらが、成長に寄与するのでしょう。
後者ですよね。ちゃんと行き先があるのですから。
『ここがいけないよ』『こうならないようにしましょう』ではなくて、
『こうなりたい』『もっとこんなふうに』がいいですね。
 
 
伝える方法は
 
伝える方法って、言葉とは限らないですよね。
音楽なのですから、言葉で伝えるより、たとえば歌ってあげた方が伝わる場合も多いです。
身振り手振り、表情、いろいろあります。
合奏だったら、指揮で伝えられることは多いです。
伝わらない場合の多くは、みんなが指揮を見ていないからではなく、指揮のせいかもしれません。
(自戒も込めて…)
そしてそれらは、言葉で伝えるよりもいい結果をもたらすことも多いと思います。
 
 
 
放任されていても
 
ぼくは中学校の吹奏楽部で金管楽器(テューバ)と出会いました。
教えてもらったことといえば、Bの音階1オクターブ、だけ。でも、のびのび吹いていました。
高校の時の吹奏楽部の顧問の先生は、夏休みにならないと練習には出てこられない方でした。
でも、みんなでちゃんと練習や活動をしていました。
昔、「子どもなんてほおっておけば育つんだ!」と言って教育実習をやり直しになった人がいました。
問題があったのかもしれないけれど、でも、言っていることは正しいように思うのですよね。
放任されていても、ちゃんと育つのです。それどころかむしろ…
生徒って、教えないことでではなく、教え過ぎることでダメになると思うのです。
余計なことを教えてしまうことで、ダメになる…
 
 
今、必要なこと
 
教えることって、生徒が望む形(それがクリアなことも大切ですね)に近づくために、
今、いちばん必要なことを、生徒とともに、深い観察によって見つけ出すこと、だと思うのです。
気づきをもたらすこと。そして、自分だけでも、それができるように促すこと。
モチベーションをもたらすこと。
 
さて、あなたは、教えることってどういうことだと思いますか。