叩けば音が出るって? もっと音にこだわりを | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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以前、『1stを吹ける人が上手い人?』というエントリーを書きました。

そこでは、どのパートも大切なんだよ、ということを書いたのですが、ほかにもこんな話が…

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。

 

 

打楽器パートでは…

 

時々聞く話…。

打楽器では、バスドラムは1年生がやる楽器、ティンパニーやスネアがエース…

そんな空気を感じることがあります。

あの、バスドラムばかにしてませんか!?

たとえばマーチでは、バスドラムが中心なのです。時にはシンバルも。

そこに低音楽器が加わり、そのビートにスネア、ホルンやトロンボーンのあとうちが入って、

それで初めてマーチになるのですよ!

 

 

 

叩けば音の出る楽器

 

打楽器って、音が出るだけなら、きっと誰でも音を出すことができる。

叩けばとりあえず、音は出る。

そのせいか、一段下に見られたりする、そういう空気を感じることがあります。

ばか言っちゃいけない!

叩く人、叩き方、身体の使い方如何で、全然違う音になるのですよ。

聴いていて、爽快で気持ちいい音もあれば、ただやかましいだけの音もある。

雲泥の差なのです。音1つ取ってもそうなのです。雲泥の差。

ドラムセットだって、ティンパニーやシンバルだって、バスドラムだってスネアだってマレットだって、

みんなそうなのです。

 

 

音へのこだわりが

 

管楽器だって、音が出るだけでいいのなら、いくらでも出るでしょう。どんな音でもいいのなら…

でも、そこから、心地いい音、また、いろいろな色の音を出していくだけで難しい。

そしてそれは、打楽器やピアノだって同じなのです。

いや、打楽器のほうがむしろ、奥が深いかもしれない。単純ですからね。

そして、音楽の中で打楽器の占める影響力って、やっぱり絶大なのです。

『管楽器は音を並べるだけで大変なんだ』なんていうのは、管楽器吹きの傲慢でしかない。

そして、音へのこだわりがないから出てくる言葉なのだと思いますよ。

ほんとうに、音1つ1つにこだわるのなら、こんな言葉は出てこない。

音にこだわったら、どれほど奥が深いか打楽器って…。

 

 

 

打楽器の音

 

あるバンドが、コンクール前のホール練習でこんなことをしていました。

課題曲マーチの、打楽器パートをローテーションして試していたのです。

スネア、バスドラム、シンバル、ティンパニー…(みんな全部できるのですね)

みんないい音をしていたのですが、やっぱりそれぞれ個々人の音色の個性ってあるのですよ。

違いがあるのです。いい悪いではなく、ね。

で、どの組み合わせでいくのがいちばんサウンドがしっくりくるかな、と、試していたのです。

ほんとうに、バンド全体のサウンドが変わって聴こえるのですよ。

それぞれの組み合わせに個性がある。こんなに変わるのか、と思うくらい…。

奥が深いですよね。

 

 

もっと音にこだわろう

 

もちろん管楽器もなのですが、打楽器さん、もっともっと音にこだわろう!!

なかには、音色のことなんかなんにも考えてないような演奏に出会うこともある。

ほんとうに、ただ、やかましいだけの音。大きい小さいではなく、ね。

それではほんとうに、『叩いただけで音が出る』っていう演奏でしかない。

叩き方、身体の使い方、イメージ如何で全然音って変わるんです。

もっともっとこだわろう。

それは、音を出すのが簡単だとか難しいだとかいう次元の話じゃない。

そんな次元にとどまっているから、どの楽器が上、どのパートがエース、みたいな発想になるのですよ。

上の次元を目指したら、どのパートも、どの楽器も、難しいし大切なのです。

 

さて、あなたは音にこだわっていますか?

 

 

ある意味バスドラムが主役の曲。

ヴェルディのレクイエムより、『ディエス・イレ』(怒りの日)
クラウディオ・アバド/ベルリンフィル