ワルツは難しい? -指揮なし合奏のススメ- | フクロウのひとりごと

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今年の課題曲3番,『吹奏楽のための「ワルツ」』,難しいという声を聞きます。

それで,5日ほど前に,ツイッターにこんなことを書きました。そしたら…

 

 

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 

 

指揮なし合奏

 

ほんとうに指揮なし合奏でワルツを演奏してくれた学校がありました。しかも,ステージで!

もちろん,ぼくの書き込みを読んだからではないのでしょうけども。

さらに,誰かが合図してそれに付いていく合奏ではなく,誰もほとんどアインザッツ(合図)を出さず,

ひとりひとりが自分の中で音楽の流れを感じて演奏しているように感じました。

それで,ちゃんと流れができて音楽になっている。

ほんとうに感じ入りました。すばらしい!!

高校生が,あそこまでできるんですね。

 

 

 

付いていく合奏では…

 

その学校の顧問の先生が言われるのには…

『みんなが指揮ばかり当てにして付いてくるだけだから,どんなふうに指揮しても合わない』と。

だから,指揮なしで自分たちだけで音楽してみろ,ということで,やってみたのだと。

とても本質的なことが明らかになったということですね。

 

誰かを当てにしてただ付いていく,ただ合わせようとするだけの合奏は,合わないんです。

それでは流れもできないし,音楽にならないんですね。

それぞれが自分の中に音楽の流れを感じて,流れを持って演奏するからこそ,合うんです。

そのための練習のお話も,なるほどと思いました。

以前に見学させていただいたある全国バンドも,同じような練習をされていました。

 

 

どうして合うんだろう…

 

これ,先月に書いたブログ,『合うってどういうことだろう -ヨーロッパのオケって…-

それから,『合うってどういうことだろう -ベルリンフィルも中学生も-』に通じることだと思います。

いちばん大切なことは,はみ出さないことでも,揃えることでも,合わせに行くことでもない。

自分の中に流れを持って演奏することなのですね。

それをやろうとしている,しかも,けっこうできているところがすばらしい。

楽譜から流れを感じ取って,それぞれが主体的に音楽しようとしている。

それで合奏が成り立っている…。

でももちろんこれは,テンポや流れだけの話ではありません。

 

 

 

指揮者の仕事

 

指揮者って,司令官ではないのです。

アンサンブルの一員なのです。

演奏者は,指揮者について行くのではないのです。

指揮者と一緒に,主体的にアンサンブルするのです。

指揮者も,演奏者とアンサンブルする。だから,指揮者にはアンサンブル能力が大切なのです。

 

ただの飾り,置きモノの指揮と,実の伴った指揮も,見ていれば一発でわかります。

中には,『なぜあの指揮でこんな音が!?』なんてバンドもあります。いろんな意味で。

『おれが合奏を引っぱっていってやろう』っていう棒は,たいてい徒労に終わります。

また,アンサンブルに必要のないムダな動きも,演奏の邪魔になります。これは自戒も込めて(*_*)

一緒になってアンサンブルしながら合奏をノセる。音楽を引き出す。

それが,指揮台の上での指揮者の仕事。

もういちど書きます。指揮者って,司令官ではないのです。

 

 

たとえばテンポの流れは…

 

ゆったりした流れの曲があったとします。

振っていて,合奏のテンポがどんどん重くなる,もたれていく,全然合わない…。と,

振っている方は,『どうやって打点を出してやろうか』という発想になることがあります。

でも,これ,間違いです。

 

平均運動系(詳しい説明は省きます)の,ゆったりした柔らかい曲では,

打点など出せないし出す必要もないのです。

流れがあるかどうか,がポイントなのです。

で,合わない,重くなる原因はずばり,合奏のひとりひとりに主体性がないからです。

そんな時こそ…

 

 

 

指揮なし合奏のススメ

 

みなさんもぜひ,指揮なし合奏にチャレンジしてみてください。

どんな曲でもですが,ワルツのような曲を演奏される団体は特に。

それで音楽できるくらいにならないと,どんな指揮者が振ったってダメでしょうね。

 

指揮者になんとかしてもらおう,指揮者についていこう,テンポを教えてもらおう

そういう,指揮者に寄りかかるだけの主体性のない態度,これでは,合奏はできません。

自分の中に流れを持って,楽譜や音楽から流れを感じて演奏する。

合わせるのなんか,そこから先の話です。

 

 

さて,ワルツが難しいって言われる原因はこれだと思うのですが,いかがでしょうか。