スライドジャパンを聴いてきた | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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スライドジャパンのコンサート2017『SYMPHONIC』を聴いてきました。

 
こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家,吹奏楽指導者の福見吉朗です。
 
 
東京10月24日,大阪10月26日,名古屋10月27日。名古屋が最終公演なのです。
しかも,スライドジャパンとしては初めての名古屋公演。
スローカー,東京メトロポリタンなど,ほかのアンサンブルでメンバーの音を聴いたことはあるけれど,
スライドジャパンとして聴くのは初めてなので,わくわくして出かけました。
 
 
1曲目、『運命の力』序曲。
なにしろこの曲をトロンボーン8本だけでやるのですから,必然的に超絶技巧になります。
それをもうほんとうに見事なテクニックで軽やかに聴かせてくれたのだけれど,
それよりもっと感銘を受けたのは,そのあたたかなハーモニー。
『重厚』というのとも『華麗』というのともちがう,とても『あたたかな』ハーモニー。
 
メンバーそれぞれ,所属しているオーケストラも活動拠点も出身も使っている楽器も違う。
ソロになるとそれぞれの個性が光るのだけれど,
全体で鳴ってハーモニーになるともう,カラー,スタイルができている感じがするのです。
至福の響きに包まれました。
そのあとブオナメンテとガブリエリのルネッサンスものが3曲。
現代の楽器を使って,でもシンフォニックな響きではなく古楽の響きなのです。
この3曲のみ,上がアルト・トロンボーン。その意図がほんとうによく伝わる演奏でした。
 
そしてニーベルングの指輪。
重厚なワーグナーの大作を,難しさを感じさせることなく見事に聞かせてくれたのでした。
 
 
休憩を挟んで,ハイドンの天地創造より『大いなる偉業は成りぬ』。
トロンボーンだと4重奏版が有名ですが,今夜は8重奏版のリッチな響きで聴かせてくれました。
そして,ベートーベンの3つのエクアール。
トロンボーン4重奏のために書かれた,トロンボーンを学んだ方ならきっと取り組んだことがあるこの曲,
ベートーベンの葬儀の時にトロンボーン4重奏+男声4部合唱で演奏されたのだそうなのです。
はずかしながら知らなかったのですが,その版を清水さんの編曲で8本で聴かせてくれました。
ほんとうに,教会音楽の響きなのです!
こんなに厳かに響くエクアールは聴いたことがありません!
 
昔大阪で『Trombone & Trombone's』という大阪中のトロンボーン吹きが集まるコンサートが毎年あって,
いつも聴きに行っていたのですが,
そこでエクアールを100人くらいで演奏するのです。
その響きを聴いたら鳥肌が立って,ほんとうにトロンボーンをやっていてよかったと思った。
あのエクアールも一生忘れないけれど,きょうのエクアールも,きっと一生忘れない…。
 
ところでプログラム・ノートは清水さんが書かれているのですが,これがまた秀逸なのです。
トリビアなどもちりばめられていて…。
ドイツ国家がハイドン作曲だなんて知らなかった…
 
さて,カンタベリー・コラールからは黒金さんがコントラバストロンボーンに持ち替え。
おそらくF管だと思うのですが,リッチであたたかなハーモニーを下からしっかりと支えていました。
楽器と黒金さん,身長がおんなじくらいなのです!
 
プログラムの最後はウェスト・サイド・ストーリーからシンフォニック・ダンス。
これがまた,攻めたアレンジなのです。ハンス・ライナー・シュミット編。
あとで聞いたら,やはりスライドジャパンのために書かれたのだそう。
アンコールのパイレーツ・オブ・カリビアンもそうですが,あれを吹ききれるというのがまず,すごい!
見事に,豪華に聴かせてくれました。
堪能しました。
 
打ち上げにも参加させていただき,楽しみました(^^)
あたたかなハーモニー,軽やかなテクニック,個性の光るソロ,そして,
歌があるのです。管楽器って,トロンボーンって,歌なのですね!
 
400席ほどの電気文化会館の客席,けっこう埋まっていたのですが,
お客さん,もっと入ってもいいのでは? と思いました。
あのサウンド,演奏は,トロンボーン吹きならほんとうに万障繰り合わせて聴くべきだと思うのです。
こんなコンサートを世の中に知らせていくために,もっと出来ることはないだろうか,と思ったのでした。