なんのためにあるの? | フクロウのひとりごと

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愛知県在住のトロンボーン吹き、作編曲家、吹奏楽指導者。
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昨日のブログ…
『吹奏楽部ってなんのためにあるの?』というタイトルなのに、
結局最後まで『なんのためにあるのか』が書かれていません。

こんばんは。
トロンボーン吹きで作編曲家、吹奏楽指導者の福見吉朗です。



さて、なんのためにあるんだと思いますか?
吹奏楽部の目的。
そんな簡単に答えが出るものでもないし、
正解がひとつだけあるわけでもないと思うのです。
それはひとりひとり違うものかもしれない。


人間形成

『人間形成』なんて言う人もいます。
そうかもしれません。
立派な目的です。
でも、人間形成って何? どうすればてきるの?

「目的は人間形成なのだから、教える内容なんてどうでもいい」
なんて言った人もいました。でも…

人間形成を目的にするからこそ、嘘はいけないと思うのです。
人間形成を目的にするからこそ、真剣に音楽すべきだと思うのです。

自分自身振り返ってみても、中学高校の吹奏楽部、特に高校は、
とても人間形成に影響があったと思っています。かけがえのないもの。
それは、仲間と真剣に音楽を追求したからですよね。
至らないところはたくさんあった。でも、嘘はなかった。


やっぱり金賞

『とにかく金賞を取る』ことが目的だ、という人もいるかもしれません。
それだって間違っていないし、あっていいと思うのです。でも…
それなら、いや、それだからこそ、ほんとうに音楽を追求すべきです。

いろいろ見てきたから言います。
『金賞を取るためのコツ』なんてものは多分ないし、
(「ある」と言ったほうが『商売』にはなるのでしょうが…)
ましてやダメ出しや悪いとこ潰しや根性論で取れるものでもない。

「音楽を追求したって評価されない」というのであれば、
もしかしたらその音楽は、独りよがりなものだったのかもしれない。

視野を広く持って、真剣に音楽をする。
それが『結果的に』、金賞に近づく道なのだと思うのです。

でも、ひとつだけ…
部活動の価値は、賞の色で決まるものではないと思うのです。

あっ、だからといって、「賞なんかどうでもいい」というのなら、
コンクールに出る意味は、もしかしたらないかもしれない。
出るからには、賞は大事だと思います。
でもそれは、目的ではなく目標かもしれないですね。


音楽を続けてくれること

『どれだけの卒業生が音楽を続けてくれるか』が大事だ、
という人もいます。
音楽に出会って、その素晴らしさを知って、その後も続けてくれる。
素晴らしいことだと思います。

ただ、それが『専門家を何人出したかだ』になってしまうと、
ちょっと違う気がするのです。

音大に何人送り込んだのかにこだわる先生、何人かみえました。
でも、それって大事なこと?
ぼくは、もちろんその生徒を見た上で伝えますが、
「音大に行ったり専門家を目指すだけが音楽を続ける道ではないよ」
と伝えたりします。

選択肢は、いろいろあっていい。
そしてそれは、いい悪いや優劣ではない。

「プロを出すためにやってるわけじゃない」
中学校の時の顧問の先生は、そう言われました。
でも、音楽の面白さをとても経験させてくださった。


さて、吹奏楽部の目的…
目的って、それを言い訳にするためのものではないし、
それを実績にするものでもないし、
一点に決めつけるモノでもないと思うのです。
そこに集い、共に時を重ねたひとりひとりの中に何が残っていくのか…

さて、あなたは吹奏楽部って何のためにあるんだと思いますか?