※ネタバレあり。
これは白石加代子出演するけど見るかどーかかなり迷った。
ポスターを見たカンジ、たぶん私好みの話ではなさそう。
顔ぶれはすごいんだけどね。
でも、少しお安くチケットが手に入ったので行ってみることにしました。
THEATER 1010、すごい久しぶり。
刑務所の雑居房で知り合った戸並健次(中山優馬)らは、出所するや誘拐の下調べにかかる。
狙うは紀州随一の大富豪、柳川家の当主とし子刀自(白石加代子)。齢 82 を重ねてなお矍鑠と周りを魅了する女丈夫であるという。実は健次は柳川家が支援する孤児園の出身で、とし子との忘れられない思い出があった。
さて、ある夏の日。健次率いる若者グループにとし子が誘拐される。
誘拐の報に、とし子を生涯最大の恩人と敬う、凄腕警察本部⻑井狩大五郎(風間杜夫)が捜査に乗り出す。
一方、誘拐犯が要求しようとしていた身代金が五千万と知ったとし子は激昂、百億にしろと言い放ち、3 人を従え、自ら身代金強奪の指揮をとり始める。
まずは、柳川家の家政婦として仕えていたとし子を慕うくーちゃん(柴田理恵)宅に押し寄せ、アジトにしてしまう。
かくして 4 人の役者は揃い、前代未聞の大誘拐劇が繰り広げられる。さて、とし子刀自の本当の狙いとはいったい何なのか・・・。
この誘拐劇の結末やいかに?!
(ネットより)
うん、なるほどなるほど。
おばあちゃんが自分の身代金吊り上げてまわりを巻き込んでいく話ね。
役者たちも大活躍してる。
だって４人しかいないからみんな何役もこなしてるのよ。
例えば健次の部下は２人いるんだけど風間杜夫が二役やってる(笑)
右に行ったり左に行ったりしながら演じてるのが笑える。
またとし子の息子国二郎も白石加代子が演じたり風間杜夫が演じたり中山優馬が演じたりしてるの。
わかりやすいように『跡取り 国二郎』というたすき掛けしててめっちゃ笑える。
あとスタッフさんも活躍してるのよ。
例えば車が出てくるところはスタッフが車のパネルを持って移動したり、身代金積んだヘリコプターが飛ぶところはスタッフがヘリのおもちゃを持ってステージ上を歩き回るんだよね。
100億という身代金の作り方、というパネルが出てきた時は客席も大爆笑。
話が盛り上がってくるとやたらと『ダースベイダーのテーマ』を流してくる。
これが映画なら役者もたくさん起用するのだろうし、本物のヘリコプターが飛ぶんだろうけど、本当に４人の役者とスタッフの活躍ありきの舞台なんだなぁ…。
と感心してしまう。
ところが。
ところがですよ。
「自分の価値が5千万とは失礼。100億にしろ」とは自己顕示欲強めだなぁ、などと呑気に思っていたけれど、後半とし子の今まで耐えてきた思いが一気に吐き出される。
長男は兵隊に取られ南方で戦死した。
もう一人の息子は特攻隊員となり終戦の前日に飛び立っていった。
長女は国の工場で働いていたが空襲で亡くなった。
そして今自分は癌だということが判明。
自分が死んだら柳川家の山はお国に取られてしまう。
お国とは一体何なのか？
ここで「跡取り 国二郎」のたすきが思い出される。
跡取りなのに何故二郎なのか不思議だったけど、そーゆーことだったんだ。
子供を3人も国に捧げた母親のささやかな、そして大胆な復讐。
ここで終わりだと思うじゃないですか？
もう一捻りあるんですよ(^^;💦
身代金作る際に山と森林を処分すると700億以上あるんだけど、相続税75％取られるから173億しか残らないのね。
そこから100億払うと残り73億。
凡人から見れば73億あれば遊んで暮らせる！
と思う一方でそんなに税金取られるの！？みたいな。
でも、そんな節税対策(!?)あるとは思わなかった。
なんかワクワクしちゃった(^^)
この話は1991年に『大誘拐 RAINBOW KIDS』というタイトルで映画化されている。
主演は北林谷栄。
キャストに樹木希林の名前があったので一瞬、樹木希林主演かと思ったが違った(^^;💦
どうどうたるおばあちゃんだなぁ。
北林谷栄は30代の頃から老け役が多かったが、当時は老婆役＝貧乏クジという風潮に不満を持ち、
年寄り役の人物描写をもっと掘り下げるべき
と主張してこの映画が出来たそう。
その志を受け継いだかどうかは知らないが、樹木希林があそこまで偉大な存在になったのはすごい。
でも、今はおばあちゃんていないからなぁ💦
大竹しのぶは60代で少女の役とかやってるし、夏木マリはあれはあれでカッコいいんだけどね。
そういうわけで白石加代子にはまだまだ活躍して欲しい。
『だが、情熱はある』で若林さんのおばあちゃんやってたけどよかった。
もっとテレビにも出て欲しい
そして、迷ったけど見に来てよかった。
ダース ベイダーのテーマ。👇👇👇
