※ネタバレあり。
偶然見つけた映画。
おもしろいの？
あんまり期待できなさそうな…。
山田五郎さんのYoutubeでダリの解説散々聞いたからもういいかなと思ったけど、恵比寿ガーデンシネマで上映しているそうなので来てみました。
1974年。ニューヨーク。
ジェームスは働き始めた画廊で個展を開くダリのアシスタントをしたいと申し出る。
画廊の店主に「こき使われるだけだから」と反対されるが、ダリを尊敬するジェームズは残業して画廊の仕事もするからと押し切る。
ダリと妻ガラに気に入られて喜ぶジェームズだったが、パーティー三昧のダリは、個展開催が迫っても作品を1枚も仕上げておらずガラは激高。
それに奮起したダリは絵を仕上げるが、酷評されスペインに戻る。
ダリの絵が売れなかったことで画廊を解雇されたジェームズも誘われてスペインへ。
だが、そこで見たのはダリのサインを書いた紙にダリの絵を印刷して売りさばくという光景。
更に若いミュージシャンに入れあげていたガラは自分のポートレートをミュージシャンに譲り、サザビーズで競売にかけられたことを知る。
ジェームズからそのことを聞いたダリは激昂しガラと激しく言い争うが…。
すごくおもしろかった。
ダリの芸術が見たかった人には物足りなかったみたいだけど、ダリとガラの関係性に興味津々な私としては「あ〜、なるほど〜」ってカンジ。
山田五郎の動画によれば、ダリと出会った当時のガラは詩人と結婚していたが、
ダリのほうが金になると踏んで乗り換えた
みたいなお金大好きキャラとして紹介している。
確かにお金好きなんだろうし、実際金が欲しいから仕事しろ！とダリを怒鳴りつけているシーンがあるんだけど、
まぁ、何だろうな。
あれくらい言わないと芸術家って仕事しないと思うのよ(^^;💦
昔フィゲラスのダリ美術館に行ったことがあるんだけど、ガイドさんが、
ダリが生前から有名だったのは間違いなくガラのおかげ
と言っていた。
映画の中でもガラがジェームズに
「画廊を一軒一軒回って絵を売り込んだ」
「シュルレアリスムは古いと言われた」
「でも、アメリカでは受け入れてくれた」
とポツリポツリと話すシーンがある。
ちなみに五郎さんの動画ではフランスに人脈を持っていて一気に売り込んだ、みたいになってましたが…(^^;💦
一方ダリは今でいう草食系。
肉食系のガラに押されて一も二もなく陥落したらしい。
ガラは以前フランス風(？)に男二人と共同生活をしていたが、一人はガラの我の強さに逃げ出した、という過去があるくらいなんで。
でも、その頃ガラは芸術家にとってミューズだったらしいんだよね。
ダリってシュルレアリスムで有名だけど、器用で何でも描けるそう。
ピカソと紛うばかりのキュビズムの絵もあったりする。
だから逆に何をやっていいのかわからなくて、ガラの言われるままにシュルレアリスムに突き進んだみたいなんだよね。
なんかフロイトに絶賛されたことがあるらしく余計自信をつけたみたいで。
映画の中でも突飛なことを言って称賛を集めているけど、
(ちょっと下ネタすぎて書けないけど💦)
時々ダリを演じるのが苦しくなる
とジェームズに打ち明けている。
映画に描かれているのはダリが晩年で70歳なので、ガラは母親のようなカンジだった。
指を切っただけで大騒ぎするダリはまるで子供のようだし、それをあやすガラは母親なんだよね。
かなり男を翻弄してきたと言われるガラだけど、この頃は80歳。
男が寄ってくるわけがない。
お気に入りのミュージシャンにレコーディングをさせてあげる、と言って金を貢ぐガラはちょっと哀れに思えてくる。
よくダンナが浮気しても浮気しても別れない妻っているけど、その逆バージョンというカンジ。
でも、その根底にはダリの才能を信じているガラの姿があったように思う。
まぁ、現実がどうだかは知らないけどね(笑)
五郎さんが二人を野村監督とサッチーに例えていて笑った。
ジェームズという人は実在の人物ではないみたいだけど、彼の目を通して描くところが非常に上手いなと思った。
晩年画廊の店主となったジェームズがモデルのアマンダに再開するが、
「まだ絵が好きなの？ あんな目に遭ったのに」
と言われて
マゾかも
と答えるシーンはなんか笑えなかった。
正直者は出世できないということですかね。
あと何で邦題は『ウェルカム トゥ ダリ』なんだろう？
『DALI LAND』でよくないですか？
何故こうなったのか聞きたい。
『ウェルカム トゥ ダリ』予告編。👇👇👇
山田五郎によるダリの解説。👇👇👇
ダリ美術館のパンフレットより。👇👇👇
