三島由紀夫「春の雪」、映画版と宝塚版それぞれ♪ | 聖地への旅 国立市の旅行会社カイラス

聖地への旅 国立市の旅行会社カイラス

アジアを中心に聖地への旅を案内しています。
小さいけど、心のこもった企画をさせていただきます。

三島由紀夫作の「春の雪」の映画&宝塚版を観ましたので、その感想をご紹介しますおねがい



「春の雪」は、

三島由紀夫の大作「豊饒の海」全4巻の中の、

第1巻目にあたります。


「豊饒の海」は、長い輪廻転生の物語キラキラ


三島由紀夫は、「豊饒の海」の第4巻、

「天人五衰」を書き上げてから自決されました。

まさに、渾身の遺作。


そして意外にも、インド🇮🇳とゆかりのある物語なのです。


三島さんは、この作品を書くにあたり、

インドやタイを訪れており、物語の根底に深い仏教思想が死生観があるといわれています。


唯識論や阿頼耶識について長々と説明があったり、とても難しく感じる部分もあるのですが、

ストーリー自体が面白いので、あまり構えずにぜひ読んで頂きたい作品ですニコニコ



一作目の「春の雪」は、大正時代が舞台の貴族の悲恋の物語。

まぁ実際は、単純な悲恋ではなく、、本当は両想いなのに、主人公が勝手にこじらせて自ら悲恋にした、みたいなところもあるのですがガーン


「本を読むのはチョット、、、」という方は、映像から入られるのもいいかもしれません音譜



◆竹内結子さん、妻夫木聡さん主演の映画【春の雪】2005年


主人公の松枝清顕(きよあき)を妻夫木聡さん。

ヒロインの綾倉聡子を竹内結子さんが演じておられます。


大正時代の貴族の雰囲気がとっても素敵でした。

衣装、映像も気合いが入っててとても良かったですラブ





竹内結子さんに聡子役は合わないかも?と思っていたのですが、演技力が素晴らしくて、

本当に【貴族の令嬢聡子】が憑依していました。

物語を影で支配する聡子の圧倒的な存在感は、

竹内結子さんだからこそ出せたのではキラキラ


清顕役の妻夫木さんは、とっても男前でカッコイイのですが、、、

清顕は、男性でもドギマギするほどの超美少年、という設定。


ちょっと、、違うかなぁ、、と思ってしまったりしました🙏

妻夫木さんが悪いわけじゃないのです。

「清顕」が、現実離れした美しさなのです驚き



その点でいくと、宝塚版の「春の雪」、

明日海りおさんの清顕の方がピッタリでした❣️



◆宝塚版「春の雪」2012年


宝塚の男役さんは、半分は幻想なので、

現実離れしたキャラクターを「現実」に浮び上がらせるのはお手のもの。


ワガママでお子ちゃまで美しい清顕を、

明日海りおさんは見事に演じておられました照れ


宝塚版がすごいと思ったのは、原作にめちゃくちゃ忠実だったこと‼️キラキラ


映画版で残念だったのは、

印象として単なるメロドラマで終わってしまっており、、、

物語の裏のテーマでもある仏教思想について語られず、壮大な輪廻転生の物語へと続く序章である雰囲気もまったくなかったことショボーンタラー



その点宝塚版は、あの難しい原作の世界観を、

忠実に丁寧に表現しようとされていましたキラキラ


さらにさらに、清顕と聡子の逢引き後、

聡子の乱れた着物を着付けするために

隣室で待機していた「婆や」が合図とともにでてくる衝撃的シーンまでも忠実に再現していて、

「ここまでやるか!」と本当に驚きました驚き

(映画版でも入れてほしかったのに残念。重要なシーンなのに)


ただ、宝塚版には、私にとって大きなマイナスポイントがありました。

ある演出で、4巻目「天人五衰」のネタバレをしてしまっているんですガーンタラー


演出家がその演出(あえて伏せます)を入れたかったのは分かる、、けど、「春の雪」はまだ一巻め。


最終巻の「天人五衰」を読んでない方にとっては、その部分を知る大事な驚きを奪ってしまっているため、これは絶対にやってほしくない不要な演出だと思いました。


でも、宝塚版の演出家や制作陣が「豊饒の海」という大きな物語をリスペクトしたうえで、舞台「春の雪」を、作り上げられたということが、ひしひしと伝わりましたニコニコ



総じて、映画版、宝塚版ともに、それぞれの良さがあって楽しめると思いますので、オススメです照れ




ではではクローバークローバー