早速ですが、「拱手傍観(きょうしゅぼうかん)」という四字熟語が何となく気に掛かっています。「拱手傍観」の意味は、「事に際し、腕を組んでわきで見ているだけで何もしないこと」〔『広辞苑』第七版〕です。何となく気に掛かる四字熟語だ、と思っています。
「拱手(きょうしゅ)」の意味は、以下引用の通りです〔なお、「拱手」を「こうしゅ」と読むのは慣用読み、とのことです。つまり、本来の読み方は「きようしゅ」だということです〕。
〔以下、抜萃して引用させて頂きました。用例中の、見出し語を表す記号( ー )は、ひらがな表記に変えさせて頂きました。ルビ、下線は引用者です。〕
『広辞苑』第七版
きょうしゅ【拱手】
(コウシュは慣用読み)
1 中国で敬礼の一つ。両手を組み合わせて胸元で上下す
ること。
2 手を組んで何もせずにいること。袖手(しゅうし
ゅ)。
⇒ きょうしゅぼうかん【拱手傍観】
漢語「拱手」を和語に代えるなら「手を拱く」でしょう。
さてここで、「拱く」の読み方ですが、「こまねく」「こまぬく」の二通りあるようです。私は「こまねく」と思っていたのでしたが、「こまねく」は、コマヌクの訛〔『広辞苑』第七版〕、「こまぬく」の音変化〔『デジタル大辞泉』〕、「こまぬく」の転〔『明鏡国語辞典』第二版〕などと国語辞典にはあります。つまり、本来の読み方は「こまぬく」とのことです。各辞典の見出し語の読み方の基本は「こまぬく」となっています。ただし、現在は ‟「こまねく」が多く使用される”、‟「こまねく」が一般的” などと説明されています。
『広辞苑』第七版
こまぬく【拱く】
《他五》
左右の手を胸の前で組み合わせる。腕を組む。転じて、何もしないで見ている。傍観する。「腕をこまぬく」「手をこまぬく」
△ 近年、音変化した「こまねく」が多く使用される。
『明鏡国語辞典』第二版
こまねく【拱く】
〔他五〕
腕組みをする。こまぬく。
「手をこまねく(=何もしないで傍観する)」
▲「こまぬく」の転。現在は「こまねく」が一般的。
『広辞苑』第七版
きょうしゅぼうかん【拱手傍観】
事に際し、腕を組んでわきで見ているだけで何もしないこと。
「拱く」については、現在における一般的な読み方をしていた者ですが、しかし読み方の問題ではなく、私にとって「手を拱く」とか「拱手傍観」という言葉は、我が事のような気がして忸怩たる思いが募ります。
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