わが闘争(上) アドルフ・ヒトラー著/平野一郎・将積(しょうじゃく)茂訳 | 怠け者のつぶやき

怠け者のつぶやき

今まで勉強してこなかった怠け者が
今更だけど本でも読もうか、ってことで色々と
本を読んだりニュースを気にしたりしてつぶやいてます。

○特徴

1.背景

①ヒトラーがドイツ労働者党にて活動を行い、逮捕・禁固された際の対話を元に作製された。

②本書は、1925年に発行されている。

③ドイツでは法律によりこの本の発売が禁止されていたが、ヒトラーの死後70年が経過した事から、著作権がなくなり再発売された。これによりドイツでは2016年にベストセラーとなっている。

2.この本を一言で言うと

 一部で同意出来る意見もあるものの、ヒトラーのユダヤ人に対する認識と民族主義は目に余るものがある。

3.概要

 本書は、ヒトラーが投獄中に口述した内容をまとめた上下巻のうちの上巻である。ヒトラーの半生と思想を語る本となっている。

 ヒトラーは、1889年4月20日、ドイツとの国境付近のオーストリア・ブラウナウで生まれた。父アロイスはオーストリア税官吏を行っており、それなりに裕福な暮らしをしていたようだ。父は、子供の頃からの1人で生きてきた苦しい生活から、当初ヒトラーを自分と同じ官吏にしようとしていた。一方でヒトラー自身は、画家の道に進もうとしていた。これについて父は激しく反対していたが、ヒトラーが13歳の頃に亡くなり、2年後には母も他界した事を機に画家を目指す事となる。父の遺産と孤児年金がある事から、それでもなんとか生活はできていたようだ。

 ヒトラーは画家になるため、1906年にウィーンの学校へ受験をしに行く。しかしそこでヒトラーは、受験に失敗。同時に興味のあった建築の道に進みたいと考えるが、学校に行く事はなかった。ヒトラーがウィーンにいる間に孤児年金は尽きてしまい、その日暮らしの生活を送っていたようだ。

1913年5月になるとヒトラーはミュンヘンに行く。ここでの生活については、貧困だったのか余裕があったのか説が分かれている。その後1915年に志願兵となり第一次世界大戦へ参加している。終戦直前となる1918年には、戦場で一時的に視力を奪われてしまい、野戦病院で終戦を迎える事となった。ヒトラーはこれを受けて、国民の意思とはかけ離れた政治に対する不満を強く持ち、政治の世界に入る事を決意する。

ヒトラーは戦争後に起きた政治団体を調査する名を受けて、ドイツ労働者党の所へ行く事となった。本来ヒトラーは、既存の団体には所属せず、新しく政治団体を起こすつもりであったが、ドイツ労働者党に誘われた事で、試しに入会する事にした。ここで宣伝係長となったヒトラーは、毎月開かれていた集会にビラを配って参加者を集め、これを繰り返す事で有名にする事に注力した。これにより集会は数百人規模にまで広がった。それからも規模を拡大して行ったドイツ労働者党は、1920年になる頃には2000人規模にもなった。

 

○評価

1.目的

ドイツでベストセラーになったヒトラーの本を読んでみたくなった。

2.評価(各5段階、30点満点)

項目

説明

点数

目的との合致度

目的と合致しているほど高い

A

わかりやすさ

わかりやすいほど高い

D

内容の質

質が高いほど高い

B

内容の量

量が多いほど高い

S

読み応え

読み応えがあるほど高い

B

専門性

専門性が高いほど高い

A

総合

 

B

※評価はS、A、B、C、Dの5段階。B以上は読む価値あり。

 歴史の勉強の一環として読めたのは良いが、非常に長くて読みにくい。