○特徴
1.背景
①著者は26歳で不動産投資を始める事を決意し、現在では投資用不動産仲介の会社を経営している。
②昔は金持ちしかできなかった不動産投資は、今では一般人でもできる投資の一種である。
③自分のノウハウを教えるため、この本を書くこととした。
2.この本を一言でまとめると
不動産投資を行いたいのであれば、立地を選ぶ事と、管理を向上させること。管理の悪い不動産を借りてくれる人はいない。空室リスクを回避するためにはリフォームやリノベーションで価値を高め、管理を強化する事が必要である。
3.概要
不動産投資の最大の魅力は、レバレッジを効かせられるところである。銀行から借入を行えば、自分が持っている資産の何十倍もの金を借りることも可能だ。毎月のローンの支払いは家賃収入で賄えるため、極端にいえばどれだけ金を借りても自分の負担にならずに返済をする事が可能である。また本来不動産の価値は購入してから下がっていくが、上手く行う事で資産価値を高めることもできる。
不動産投資の最大のリスクは不動産価値の低下、そして空室リスクでる。これらを回避するためには、よりよい立地を選ぶ事、しっかりとした管理を行う事が求められる。良い立地を選ぶ為に必要な事は、実際にいくつかの不動産会社を見て回ることだ。そして直接、周辺のエリアで人気のエリアはどこか尋ねてみると良い。管理をしていくには、リフォームやリノベーションをする事、共用スペースを綺麗にする事は必須である。またトラブルを起こす人を居住させないようにする事も不動産の価値を下げない様にする一つの方法である。
具体的に不動産はどの程度利益を得ることができるのかを計算する際には、表面利回りと実質利回りの計算が必要となる。表面利回りは、不動産に投資した金額に対して1年当たりの収入がどの程度にあるかの計算であり、実質利回りは運営費や固定費等をさらに詳しく計算したものとの比較である。表面利回りで12~13%、実質利回りで10%程度を目安として物件を探したい。これに加え、キャッシュフローとROIの計算も欠かせない。キャッシュフローは、年間の収入と支出がプラスになっているかの計算であり、これがプラスである限りは運営に問題はない。ROIは、初期投資を行った自己資本に対して利回りがどの程度であるかという指標である。銀行借入金額が大きい程ROIは高くなっていく。
これらを上手く行うためには、パートナーとなる不動産会社、そして銀行が必要となる。最初に銀行から借入を行う事は難しいが、その時の助けになるのが事業計画書や会社員である事だ。会社員である事は、ローンを定期的に返済する事ができると言う意味で信用につながる。1度融資が下りると、次回以降は実績がある事から融資は比較的受けやすくなる。不動産は数百万円の区分所有を最初に購入し、次に2000万円程度のアパート1棟、そして5000万円程度の鉄筋コンクリートのマンション1棟、1億円程度のマンション1棟、以降は1億円程度のマンションの数を増やしていくのが筆者のお勧めだ。
これらの事について言える事は、不動産を購入して後は全て管理会社に任せる、または放置してしまうようでは不動産投資は失敗すると言う事である。立地は肌感覚で知った方が成功率は高まるだろうし、キャッシュフロー等は経営感覚がないとできない。しっかりと不動産と向き合い、ステップアップをしていく事を祈っている。
○評価
1.目的
投資のポートフォリオの一環として不動産投資を知りたいと考えたため。
2.評価(各5段階、30点満点)
項目 | 説明 | 点数 |
目的との合致度 | 目的と合致しているほど高い | 5 |
わかりやすさ | わかりやすいほど高い | 5 |
内容の質 | 質が高いほど高い | 4 |
内容の量 | 量が多いほど高い | 3 |
読み応え | 読み応えがあるほど高い | 4 |
専門性 | 専門性が高いほど高い | 3 |
合計 |
| 24 |
評価 |
| B |
※評価はS、A、B、C、Dの5段階。B以上は読む価値あり。
初心者向けの本。不動産投資のメリット、デメリットが書いてあるため、始めたければだれもが読める。