中国人との会話をしていると、家を買う話は良く出て来る。中国人が
結婚する条件として家と車を購入する事(买车买房)は、必要条件で
ある事が多い。おまけに買うのは必ず新築新車だ。特に中古車は
日本と違って制度が整備されていない上、信用の問題で買う人は
少ないようだ。
知り合いに話を聞くと、家を買うっていうのは安心を買うのと同じだ、
という意見が聞かれる。借金をするのに安心なのかと疑問を持って
しまうのだが、その点についてはあまり考えていないのか、必ず返
せると思っているのか、あまり気にしていないようだ。30年のローンを
20代の若者が惜しげもなく組んで行く姿は自分の感覚からしたら
異常にすら感じる。
さらに話を聞いていると、どうやら中国人の中では、家の資産価値が
目減りすると言う考えがないようだ。というか、実際に売却価格が安く
なると言う事はなく、上がり続けているのだからこういう事を感じている
ようだ。
つまり、家を買ってもどうせ地価が上がっていくのだから、困ったら売れ
ば大丈夫。損をする事はない。と感じているようなのだ。そこには価格が
暴落する場合は政府が介入するから、というモラルハザードに近い考え
もあるようである。
日本やアメリカでは土地バブルを経験しており、それにより苦い経験も
している。日本では中国の土地バブルも近いうちにはじけるはずだと
感じており、これは当の本人達が安心しきっている事からも間違いなく
起こる。おまけに買っている家の価格が、年収の10倍以上というのだ
から、リスクは相当高くなっている(日本では、年収の5~6倍程度が
普通の様だ)。リスクの高い投資をし過ぎて失敗したのが日本のバブル
崩壊であり、リーマンショックである。
自分の周りにいる人の話なので、中国人の全てが、というわけではない。
政府が支えている事から、まだしばらくはこの熱は続くだろう。今は、家を
親が買ってくれる人もおり、なんとかこれに対応する事もできている。しかし
今の中国のマンション建設ラッシュは尋常ではないし、全てが悪い方向に
行く事を示唆しているのは明らかである。上海では5万~10万元/㎡なども
ザラで、一般人には既に手が出せない(80㎡のマンションで、7000万~1.4
億円くらい)。
それでも後5~10年くらいは、この波に乗れるんじゃないかと思っている
ので、今1000万円くらいのマンションなら投資に使っても良い名じゃないか
と思っている。家族で住むとなると新築を買ってしまうので、一人暮らしなど
で使いそうな、ワンルーム等がよさそうだ。