○特徴(ネタバレなし)
1.背景
①アガサ・クリスティーが生み出した名探偵エルキュール・ポワロの物語。
②発表されたのは1934年で、アガサ・クリスティーが多くの傑作を世に出した時期である。
③アガサ・クリスティーの代表作の一つとされている。
2.ストーリー
①エルキュール・ポワロはシリアからの帰り道、ホテルに泊まろうとしたところ電報で呼び出され、寝台列車に乗って帰る事になる。
②普段は空きが十分あるはずの寝台列車オリエント急行だが、たまたま一等室はいっぱいで、なんとか二等室をとることができた。
③オリエント急行の中で過ごして2日目、ラチェットというアメリカの老人に護衛を頼まれるが、ポワロは「顔が気に入らない」と言ってこれを断る。
③翌日起きると、オリエント急行は積もった雪を前に立ち往生していた。そこへ入ってきた旧知の鉄道会社重役のブック氏は、ポワロを連れてある部屋に連れて行く。そこではラチェットが多くの刺し傷で死んでいた。
④傷口は12あり、衝動的な犯行の様であった。刺し傷のいくつかは筋肉を切断しており、女性の力では無理そうである。現場にはHと刺繍された麻の上等な女性用のハンカチが落ちており、ゴミ箱にはパイプ除掃機が入っていた。現場は内側からカギがかかっており、隣の部屋とつなぐ内扉も留め金がしてあった。窓は開いているが雪に足跡が残っておらず、外部に逃げた可能性は低い。医者のコンスタンチン博士によると、死亡時刻は12時~午前2時頃で、ラチェットのポケットから1時15分で壊れて止まっている時計も発見された。
⑤ポワロとブック、コンスタンチンの3人は、容疑者を1人ずつ呼び出し、証言をとり始める。ところが犯行時刻と思われる1時15分ごろは全ての人間にアリバイがあり、誰もが犯罪は不可能であるうであった。
⑥ポワロは彼らの証言から矛盾した点に気付き、嘘の発言をした容疑者に再度証言の聞き取りを行う。
⑦真実をつかんだポワロは皆を集め、事の真相を解き明かす。
3.良い点
①事実が少しずつ解明されていき、本を読み進める間飽きさせなかった。
②予備知識がなく本を読むと、結末は衝撃的である。
4.悪い点
①海外の本は名前が覚えにくい。
②最後まで部屋割がいまいちわからなかった。
○評価
1.評価(各5段階、30点満点)
項目 |
説明 |
点数 |
目的との合致度 |
目的と合致しているほど高い |
5 |
わかりやすさ |
わかりやすいほど高い |
4 |
内容の質 |
質が高いほど高い |
5 |
内容の量 |
量が適切なほど高い |
4 |
読み応え |
読み応えがあるほど高い |
5 |
合計 |
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23 |
評価 |
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S |
※評価は上からS、A、B、C、Dの5段階評価。B以上は読む価値あり。
意外なオチに予備知識がない人はきっと驚くはず。これは名作。