日本でも非常に有名な、シンデレラのグリム童話原作。しかしその中には色々と異なった設定や話が入っていた。そもそも灰かぶり姫の母親が死んでいたという設定は、想像はできるものの、どこにも書いていないし、彼女が母の墓に行っているなどとは普通の絵本等では取り上げられていない設定だ。さらには姉達の悪行は具体的に書かれていて、灰かぶり姫の苦労がより分かる。ベッドで寝ることすらままならないとは…
ここでも出て来る、できなさそうな条件を出してきて、クリアしても約束を守らない
と言うパターン。結局は小鳥がドレスと靴をくれるので、舞踏会には行けるのだが、魔女は出てこない。「信心深い事」がドレスを出す条件であった。しかし魔女よりもハシバミの木の方が全然使い勝手が良い。。。
舞踏会も我々が知っている話と違い、3日間続く。そして灰かぶり姫は夕方に帰って行くのがパターンとなっていた。なぜ帰るのかは不明だが、恐らくは家族にばれない様にするためなのだろう。2日目も逃がしてしまった王子はマヌケだとは思うが、3日目にピッチ(ヤニ)を塗って靴を脱がせたのは、微妙な策士っぷりだ。それにしてもグリム童話、しつこく同じ事をやる事が多い。日本で知られているシンデレラの方がずいぶん分かりやすく、話もまとまっている。しかし突拍子もないストーリーと驚きはグリム童話の方が上でしょう。ハイヒールを穿いてダッシュで逃げて王子に追いつかせないなんてすごすぎる。2日目に部下を配備させて逃げさせない様にもできたとか…
しかし金の靴を穿くために親指を切り落とす姉、かかとを削る姉はすごいし、小刀を渡す母親もすごい。そしてその程度で気付かなくなってしまう王子。顔をちゃんと見てるだけでもそれくらい分かるでしょうに。今回のトドメは小鳩に目をつつかれてめくらになってしまうと言う、これまた残酷なお話。これをこのまま読み聞かせるには刺激が強すぎる。