無人の家で発見されなかった手記 -19ページ目

無人の家で発見されなかった手記

──ある素人小説家の陳述

 前回の記事のとおり、過去作をブログに掲載しようと思ってHDを漁っていたら、いやあ、びっくりです。
 小説の過去作、とっくに消したと思っていたやつが、意外と残ってましたよ。
 その昔、ホームページ内で一部公開していた(しようとしていた? 記憶が曖昧……)ときのページレイアウトが残っていたので、その画面ショットを貼ってみます。

(新しいタブで画像を開いたりすると、読めるかな?)



 なんと最初に書いた「穢れた鎖」も、ワープロ打ちしたものが残ってました。
 色々と書いてはおりますが、この期間でこの合計枚数は、結構少ない気もします。小説が上手くなるためには、この倍は欲しいところですね。いや、倍でも足りないか。

 とりあえず、次回から昆虫ミステリの1作目を連載開始してみようと思っていますが、もしこの一覧の中で、これも読んでみたい! というものがありましたら、いつでもご遠慮なくお知らせください。いくらでも黒歴史を晒しますので。
(画像内で文字が灰色になっているやつは、もう原稿が失われているはずなので無理ですが。フロッピーディスクに残っているかも(笑))

 というわけで、次回からしばらく、連載小説となります。
 このブログのフォーマットだと読みづらいんじゃね? という突っこみは措いといて。
 ブログに小説を掲載するという行為の実験でもありますので。
 実験なら、もっと短い作品にしろよ、という突っこみは措いといて。
 興味のない方も、温かく見守っていただければと。ブログを少しでも長続きさせるためにも……。
 それでは、ごきげんよう。

 

 

 本来であればクトゥルー神話関連の作品を書くべきところなのに、架空都市「鳴兎子(なうね)」を舞台としたミステリ小説を書いてみよう! と思い立ったのです。

 あ、一応、前回の続きです。

 で、ミステリといっても、何かひとつ大枠というかテーマを設けたいと思いまして、というのも、僕はどうやら「縛り」があるほうが書きやすいみたいなんですよね。

 そして思いついたのが、「虫」でした。

 虫です。昆虫とか昆虫でないのとか。子供のころから虫が好きでして、暇さえあれば虫を捕獲してました。一応、得意分野──というのが言い過ぎなら、好きな分野ではあったわけです。好きこそもののあはれなりけり。それならば、虫に詳しい名探偵をレギュラーキャラにして、短篇を何作か書いてみようと考えたのです。このときすでに、脳内には数作分のアイデアがあったわけですが。

 そして書いてみたのが、「ジガバチの巣」という、158枚の短篇(中篇?)小説でした(のちに「彼女のためにできること」と改題)。
 初めて、「変格」に逃げずに書いた、ミステリ小説でした。これを「本格」と定義するかどうかはともかくとして。

 HTML化してホームページに掲載したところ、一部の方にご好評をいただきました。僕のほうとしても、次のアイデアを、また次のアイデアを、早く形にしたいという思いがあり、2作目、3作目、と同じキャラクターを使用した昆虫ミステリ短篇を書き続けていきました。何かに憑りつかれていたかのように、勢いだけはよかったですね。
 短篇は全部で10作ぐらい書いたでしょうか。そしてさらには長篇にも手を出してみたりして。そのエピソードに関しては、また別の機会にしましょう。

 短篇については、このシリーズのうち1作が、のちに活字化されて出版に至ります。
 そういった意味でも、この一連の作品は、僕にとって非常に大きなターニングポイントであったと、今にして思います。とりあえず数を(それなりに)こなしたことで、ミステリやエンタメの訓練ができたのでしょう。まさに習作ですね。
(活字化された作品は「くるまれて」という題で、『新・本格推理07』に収録されています。僕の活字デビュー作です)

 さて、これらの昆虫ミステリですが、当時は僕のサイトですべて読んでいただけたのですけど、今はもうありません。
 そこで、このブログで連載などをしてみようかと思いました。決してブログ記事のネタがなくて困っているわけではございます。
 加筆修正せず、当時の若書きをそのままに、恥を晒すようではありますが、掲載していきましょう。
 たぶん次回あたりから?

 

 

 

 

 

 ミステリの執筆に関しては、『蠱毒(仮)』で疲れたのか、飽きたのか、空白期間が生じます。
 ……実は、あまり記憶にないんですよね。何してたのか。

 このころは東京に住んでいたのですが、大学を卒業し、就職もせずフラフラしておりまして(ビデオ店とか書店とかでバイトしてた)、やがて色々あって埼玉へ引っ越しました。で、生きるために職につきました。とりあえず職は大事です。働かずとも食べていけるのでしたらいいのですが、そうでない場合は、まず仕事に就きましょう。小説を書くのは、それからです。就職活動をせずともいきなり大傑作を書いてデビューできるほどの天才なら別として。そんな天才なら、とっくに傑作を書き上げてデビューしているはずです。していない時点で、天才ではないと気づきましょう。俺は背水の陣で作品を創る! だから就職活動をせずに執筆する! という人もいるかもしれませんが、背水の陣というのは切羽詰ってやむを得なくおこなうものなので、自分から追いこむのはただのマゾだと思います。失敗したときのリスクも非常に大きいし(そして天才でない時点で失敗は確定している)。

 さて、このあたりで、本格的にインターネットの世界へ足を踏み入れました。遅いですね。でも当時はそんなもんだという気もします。
 当然僕はエロサイトなどには見向きもせず、クトゥルー神話やミステリ関連のサイトばかり巡っておりました。HDがエロ画像でいっぱいになりました。
 かの有名なサイト「にゃるらとてっぷホテル」に入り浸っていたのも、このころです。あるとき、ここの掲示板で、日本でもアーカムのようなクトゥルー神話ゆかりの架空都市を作ってみようぜという話になり、皆の力が結集されて、紆余曲折あって「鳴兎子(なうね)市」なるものが生み出されました。
 そのエキサイティングな誕生の経緯については、この場では省略するとして、せっかく都市を創ったからには、そこを舞台とした作品を書いてみようぜということになるわけです。

 普通はここでクトゥルー神話作品を創るところなのですが、そういったものはどうせみんな書くだろうからお任せしようと思い(笑)、僕はあえて非神話作品にしてみようかと考えたのです。まあ、どうしようもないへそ曲がりですね。
(しかし蓋を開けてみたら、クトゥルー系の創作って、そんなになかったような気がする……何か書いときゃよかった?)

 そして何を書いたかというと、これが、こともあろうにミステリだったわけです。

 

 

 

 

 前回の続きです。
 二度目は出版社でも焼肉屋でもなく、喫茶店でのお話となりました。

 僕の作品に対する評価としては、当たり前のことですが、このままでは出版できるレベルではない、とのこと。他の編集者の方にも読んでいただいたみたいで、同様の評価だったそうです。まあそれは僕も察してはいましたが、お二方にお時間を取らせてしまって申し訳ない。
 ただ、改善案をいくつか提示していただけました。そうです、僕が聞きたかったのはこういう部分です。プロの目から見て、僕の作品はどこが駄目なのか。
 色々とアドバイスを受けた気がするのですが、特に大きな修正案は2点。

 ・無駄に長すぎるので短くしましょう
 ・主人公たちが高校生にしては幼いので中学生にしましょう

 やっぱり長すぎですよね。あからさまに枚数を稼いでいるような場面もあったし(笑)。
 それと主人公の年齢設定についても、確かに、幼い高校生に見えるよりは、大人びた中学生に見えたほうが面白いとは思います。実は書き始めた当初、中学生にするとなんかエヴァっぽいなあという気がしたので高校生にしてみたのです。まあ結局は中学生のほうがよかったわけですが。

 というわけで、帰宅後に修正を開始しました。主人公らの年齢を下げ、無駄な場面や描写をゴリゴリ削りまして、650枚ぐらいにしたはずです。この引き算の作業は、なかなか勉強になりましたね。贅肉が削ぎ落とされ、作品全体が引き締まりました。短いほうが読者にとってもいいですしね。

 このへんから、エンタメ(観客への気遣い)について考え始めたような気がします。

 さて、その後どうなったかというと、僕の現在からお判りのとおり、どうにもならなかったわけです(笑)。

 なんか、燃えつきたというか、持ちこんで満足してしまったというか。
 たぶん、ここでさらにやる気を出すような人が、プロになるんでしょう。

 

 

 

 どこまで書きましょうかね。
 小説を出版社へ持ちこんだ話のことです。

 まず、電話をしました。持ってる小説の奥付を見て。
 1社目は断られました。社名は伏せます。「メフィスト賞ってのがあるからそちらへ送ってね」と言われました。ごもっともです。僕が間違ってました。
 ただ、僕としては、編集者さんの生の声(批評)が聞きたかったんですよね。実際に話してみたかったんですよ。
 なので、2社目に電話をしました。こちらのほうこそ本当に社名は伏せますよ。
 そしたら、持ちこみOKとあっさり言っていただけまして、お伺いすることになったわけです。

 曇り時々雨、な天気でした。だいぶ早めに最寄駅についてしまい、小雨の中、しばらく時間を潰してました。鴉の集団がゴミ捨て場で悪さをしていて、近くを通った若い女性の方を脅えさせてました。
 で、約束の時刻になり、いよいよ出版社へ。応接スペースっぽいところに通され、電話でお話した編集者とご対面。アイスコーヒーを出してくださいました。緊張のあまりガムシロを入れすぎてゲロ甘になりました。
 原稿用紙換算で約840枚(A4用紙には40字×40行ぐらいで印刷した気がする)というボリュームの原稿をお渡しし、後日読んでいただけることに。それでバイバイ……となるのかと思いきや、なぜかそのまま編集者さんとふたりで焼肉屋へ。お肉をご馳走になりつつ、色々とお話することができました。……が、ほとんど覚えていない(笑)。

 これでこの日は今度こそおしまい。そして後日、電話がかかってきまして、再びお会いすることになったわけです。
 今度は、僕の作品を読了済の編集者さんと。

 

 

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