先日、健診センターで胃カメラをしていた時のこと。 

 

胃の中に、かなり食べ物が残っている方がいらっしゃいました。 

 

胃カメラの前日は「夜9時以降は食べないでくださいね」とお伝えしているので、普通は胃の中はほぼきれいになっています。 

 

ところが、その方は何を食べたのかわかるくらい残っていました。 

 

「あ、ネギがあるな」とか(笑)。 

 

検査が終わって聞いてみました。 

「昨日、何時に食べました?」 

 

すると、 

「夕方6時にうどんを食べました。それ以降は何も食べていません」 と。 

 

え?夕方6時? 

 

それなのに、翌朝になってもこんなに残っている。 

 

ちょっと気になりました。 

 

夜、私たちが寝ている間は、副交感神経が働きやすくなり、胃や腸などの内臓も働いています。 

 

ところが、夜になっても考え事をしていたり、疲れていたり、ストレスが続いていたりすると、身体が十分に休息モードに切り替わらないことがあります。 

 

もちろん、胃に食べ物が残る原因はそれだけではありません。

病気や薬の影響など、いろいろな可能性があります。 

 

そのうえで、 

「最近、何かストレスありますか?」 と聞いてみました。 

すると、その方が、 

 

「ああ……一年前から親の介護が始まったんです」 と。 

 

その言葉を聞いて、ちょっと切ない感じがしました。 

 

 

親の介護って、本当にいろんなことがあります。 

 

仕事との両立もあるし、親とのこれまでの関係や、昔の感情が出てくることもある。 

 

本当はもう少し聞きたかったのですが、健診センターなので次の方が待っています。 

 

診察だったら、

「それで?それで?」

って聞いてしまうところなんですけど(笑)。

 

 胃カメラは、胃や食道の病気を見つけるための検査です。 

でも、長く胃カメラをしていると、それだけではないなと思うことがあります。 

 

「この一年、この人に何があったんだろう?」 

胃の中から、その方の生活や人生が少し見えてくることがあるんです。 

 

身体と、その人が生きている毎日は、 やっぱり切り離せないですね。

 

 

 

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野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。