「毎年きちんと健康診断を受けていたのに、がんが見つかりました」

 

そう話される方は、少なくありません。

 

毎年欠かさず健診を受け、血液検査でも大きな異常はなかった。

それなのに、ある日がんが見つかり、

 

「今まで受けていた健診は、何だったのだろう」

「どうして見つけてもらえなかったのだろう」

 

と、ショックを受ける方もいます。

 

けれども、これは健診が役に立たなかったということではありません。

 



一般的な健康診断は、高血圧や糖尿病、脂質異常症、肝機能障害、腎機能障害など、主に生活習慣病や全身の健康状態を確認するためのものです。

 

一方、がん検診は、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんなど、特定のがんを早期に見つけるために行われます。

 

つまり、健康診断とがん検診は、そもそも目的が違うのです。

 

健康診断で血液検査が正常でも、がんがないとは言い切れません。

 

早期のがんでは、血液検査にほとんど異常が現れないこともあります。

 

胸部レントゲンが含まれていても、すべての肺がんが見つかるわけではありません。

また、胸部レントゲンでは、胃がんや大腸がん、乳がんなどを調べることはできません。

 

そのため、毎年健康診断を受けることに加えて、年齢や性別に応じたがん検診を受けることが大切です。

 

ただし、がん検診を受けていても、すべてのがんを必ず早期に発見できるわけではありません。

 

検査には、それぞれ見つけやすいがんと見つけにくいがんがあります。

検診と検診の間に、がんが発生したり進行したりすることもあります。

 

だからこそ、

 

「毎年受けているから大丈夫」

 

と検査だけに任せきるのではなく、自分の体の変化にも目を向けることが大切です。

 

食欲がない。

急に体重が減った。

便通が変わった。

血便や不正出血がある。

咳や声のかすれが長く続く。

しこりに気づいた。

 

このような変化があるときは、健診の結果が正常であっても、次の健診を待たずに医療機関を受診してください。

 

健康診断は、すべての病気を見つけるための万能な検査ではありません。

 

健康診断とがん検診の違いを知り、自分に必要な検査を選びながら、日頃から体の変化に気づくこと。

 

それが、自分の健康を守ることにつながります。

 

 

 

 

 

 

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野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。