肺の病気で、長く外来に通ってくださっていた60代の患者様がいらっしゃいます。

先日、その方にがんが見つかり、基幹病院へご紹介しました。

 

その後、ご本人から
「すでに転移があり、ステージ4でした」
とご報告をいただきました。

 

さらに、その方は


「治療は受けない」
とおっしゃいました。

 

私は、心の中で
「諦めるには、まだ早いのではないか」
と思いました。

 

でも、どうして治療を受けないのか尋ねても、返ってくる言葉は、

「もういいでしょ」

それだけでした。

 

 

人生を諦めているように見えました。
生きることそのものを、もう手放しているようにも感じました。

医師として、何と声をかければいいのか分かりませんでした。

 

(宮道天神社)

 

その後、看護師さんから
「次は胃カメラをお願いします」
と言われ、私は術着に着替えて、検査の準備をしていました。

 

 

その時、ふとハッとしたのです。

「私は今、感謝ワークをしているじゃないか」

 

その方に、診察室にもう一度入っていただき、私は声をかけました。

 

「感謝ワークをしてみませんか」

その方は、携帯もパソコンも一切使っていないとのことでした。

 

そこで、ロンダ・バーンさんの『ザ・マジック』という本を紹介し、
「よかったら、感謝ワークをしてみてくださいね」
とお伝えしました。

 

 

それが、

その方の生きる活力になるかどうかは分かりません。

治療を受ける気持ちにつながるかどうかも分かりません。

もしかしたら、何も変わらないかもしれません。

 

それでも私は思いました。

 

もし、この方の人生の残り時間が限られているのだとしても、
恨みや諦めだけではなく、
感謝を感じながら人生を終えることができたなら。

その時間は、少し違うものになるのではないかと。

 

 

病気を治すことだけが、医療ではない。

その人が、最後まで自分の人生とどう向き合うのか。
そのそばに、どんな言葉を置けるのか。

 

 

私は、医師として30年以上、たくさんの患者様と向き合ってきました。

その中で感じてきたのは、病気は体だけの問題ではないということです。

 

その人がどんな思いを抱えてきたのか。
どれだけ自分を後回しにしてきたのか。
どれだけ本音を飲み込み、我慢し、諦めてきたのか。

 

そうしたものが、体の不調や病気の背景にあることを、外来の中で何度も感じてきました。

だから私は、病気になる前に、もっと自分の心と体のサインに気づいてほしい。

 

 

「もういいでしょ」と人生を諦めてしまう前に、
自分の中にある小さな願いや、生きる力を思い出してほしい。

 

 

そんな思いで、全国出版オーディションに挑戦しています。

私が届けたい本は、病気を怖がらせる本ではありません。
薬や治療を否定する本でもありません。

 

 

自分の体の声に気づき、
自分の人生をもう一度、自分の手に取り戻すための本です。

 

7月11日の本選に向けて、応援投票をお願いしています。

この本を必要としている方に届けるために、
どうか応援していただけたら嬉しいです。

 

 

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エントリーNo.108 野上徳子

 

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野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。