自分の意見を押し通す家族と、どう向き合えばいい? 

〜和をもって尊しとなすために〜

 

 家族の中に、 

人の話を聞かず、

自分の意見だけを強く主張してくる人がいると、 

とても疲れてしまうことがあります。 

 

相手のペースに巻き込まれたり、 

言い返したくなったり、 

「どうしてわかってくれないの?」と 

心がざわざわすることもありますよね。 

 

今日は、そんな家族との関わり方を、

 “和をもって尊しとなす” の視点からお話しします。 

 

 

 

 

① 相手を「変えよう」としなくていい 

家族だからこそ、 

「もっと優しくしてほしい」 

「話を聞いてほしい」 

「もう少し受け入れてほしい」 

と期待してしまいます。 

 

でも、 押し通すタイプの人は、

変化に強い抵抗を持っていることが多い のです。 

 

だからまずは、 相手を変えようとすることを手放す。 

 

これが最初の一歩です。 

その瞬間、心がふっと軽くなります。 

 

 

 

 

② 強い言動の裏にある“怖れ”を見てみる 

押し通す人ほど、 本当は心の中に不安や寂しさを抱えています。 

 

・否定されるのが怖い 

・自分の存在が不安

・認められないと感じている

・自分を守るために強くなる 

 

そう、 強さは、弱さを隠すための鎧 のことが多いのです。 

この視点を持つと、 相手の攻撃的な態度が、 少し違って見えてきます。 

 

 

 

 

③ 「いったん受け止める」だけで場が変わる 

家族と衝突しない最大のコツは、 否定しないこと。 

 

「そう思っているんだね」 

「そう感じるんだね」 

 

ただこれだけで、相手の緊張はゆるみます。 

 

受け止める=同意すること ではありません。 

心のスペースを作るだけで、空気が変わります。 

 

 

 

 

④ 自分の意見は“短く・淡々と・一度だけ”伝える 

押し通す家族には、長い説明は逆効果。 

言えば言うほど、相手は押し返してきます。 

 

ポイントは3つ。 

 

1. 短く 

2. 淡々と 

3. 一度だけ 

 

「私はこうしたいと思ってるよ。」 

「私はここまでならできるよ。」 

 

それだけで十分です。 

 

 

 

 

⑤ 心を守るための“境界線”を持つ 

家族だからこそ、 境界線が曖昧になりがちです。 

 

でも、押し通す人が相手のときは、 境界線(バウンダリー) を持つことがとても大切。

 

・無理なことは断っていい 

・やれないことはやらなくていい 

・相手の機嫌を取る必要はない 

 

それはワガママではなく、 健全な自己保護 です。 

 

 

 

⑥ 距離の取り方を変えるのも“和” 

和とは、 

いつも仲良く一緒にいることではありません。 

 

お互いが心地よくいられる距離を調整することも、 

立派な“和”。 

 

返事を遅らせる

場所を変える

話す時間帯を変える

 

そんな小さな工夫で、 関係は驚くほど楽になります。 

 

 

 

 

⑦ 最後は「自分の内側の和」がすべてを整えてくれる 

どれだけ相手が強くても、 

自分の心が静かであれば、 

外側の関係性は大きく乱れません。 

 

家族に疲れたときこそ、 

深呼吸して、自分に優しく声をかけてあげてください。 

 

「私は私のままで大丈夫。」 

この“内側の和”が整うと、 外側にも不思議と調和が広がっていきます。

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。