先日、中国で「妊娠ロボット」が発売か とういう記事を読みました。

 

 

 

「結婚はしたくないが『妻』はほしい」

「妊娠はしたくないが子どもはほしい」

 

人はどこまでわがままになっていくのでしょう?

効率化を重視し、面倒なことは必要ないものとして排除する

そのようにして生まれた子どもは、果たして「人間」といえるのでしょうか。 

 

 

現代医学では、胎児には「意識がない」と考えられています。 

 

しかし、世界中の多くの報告や研究から、赤ちゃんはすでに胎内にいる時から意識を持ち、 

母親との深い意識のつながりの中で成長していることがわかっています。

 

 

 妊娠中、母親の感情はホルモンを通して赤ちゃんに伝わります。 

オキシトシン、セロトニン、ドーパミン、コルチゾール…… 

それらは臍帯を通じて赤ちゃんの体にも届き、 母と子が共に「感情を味わう」ことで、

赤ちゃんの情緒が育まれていくのです。 

 

 

もしロボットが人工的に妊娠し、 機械的な声で話しかけたとしても、

そこに感情が伴わなければ、 情緒はどう育つのでしょうか。 

 

 

言葉だけでは、人のぬくもりは伝わりません。 

ポジティブな感情も、ネガティブな感情も、 そのすべてを味わうことこそが「人間らしさ」を育てるのだと思います。

 

 

 

そう考えると、今、私たちが「面倒」と感じるような日常の出来事
家族との関わりのなかで湧き上がる怒りや悲しみ、煩わしさ・・・

 

「お風呂が遅い」と怒ってみたり、

夫が何度も同じことをいう煩わしさも
実はとても貴重な経験なのかもしれません。


その感情のひとつひとつが、私たちを「人間らしく」してくれているのです。

 

 

 

とはいえ、ロボットの進化は止められません。 

いつか本当に、ロボットが子どもを産む時代が来るのかもしれません。 

その時、私たちは「人間とは何か」「いのちとは何か」という問いに、 もう一度向き合うことになるのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。