私たちは「感謝」と聞くと、心がほっこりするイメージを思い浮かべます。
でも実は、感謝の力は心だけでなく、体にも大きな影響を与えるのです。
医師として30年以上、数多くの患者さんと向き合ってきた中で、
「ありがとう」を口にする人ほど、回復が早く、元気を取り戻す姿を何度も見てきました。
それは偶然ではなく、科学的にも裏付けられています。
1. 免疫力が高まる
感謝を感じると、副交感神経が優位になり、免疫細胞(NK細胞やリンパ球)が活性化します。
その結果、風邪や感染症にかかりにくくなり、回復も早くなります。
2. 炎症を抑える
慢性炎症は動脈硬化・糖尿病・がんなどの原因になります。
感謝習慣を持つ人は、炎症マーカー(CRPやIL-6)が低く、体内の炎症レベルが穏やかになります。
3. 血圧と心拍が安定する
感謝は自律神経のバランスを整え、血管を広げて血圧を下げます。
また、心拍変動(HRV)が安定し、心臓の健康リスクも減ります。
4. 睡眠の質が向上する
寝る前に感謝を思い出すと、心が安心モードに切り替わり、入眠がスムーズになります。
深い眠り(ノンレム睡眠)が増え、翌朝の目覚めも爽やかに。
5. 痛みをやわらげる
慢性的な痛みを抱える方でも、感謝の練習を続けると痛みの感じ方が変わります。
脳の「痛みを認識する回路」が穏やかになり、鎮痛薬の量を減らせることもあります。
今日からできる“体のための感謝習慣”
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寝る前に、その日あった「ありがたいこと」を3つ思い出す
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誰かに直接「ありがとう」を伝える
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困難の中からも「感謝できる点」を探してみる
感謝はお金も道具もいらない、体にやさしい“自然療法”です。
私自身も、毎晩寝る前に「今日もありがとう」と自分に声をかけ、セルフハグをする習慣を続けています。
それが、心と体の両方を整えてくれるお守りのような存在です。
今日の「ありがとう」が、明日のあなたをもっと元気にしてくれます。