私は、人前で話すのが苦手です。
子どもの頃から、自分の気持ちを言葉にするのが下手で、いつも誰かが代わりに言ってくれていました。
「とっこちゃんが言いたいのは、こういうことでしょ?」
「そう、それそれ!」
そんなふうに、代弁してもらうことでしか、自分の想いを伝えられなかったのです。
それは、大人になってからも変わりませんでした。
『医療のパラダイムシフトサミット』を開催していながらも、「私は話すのが苦手だから…」「立派な肩書きもないし…」と、どこかで自分を小さく見積もって、誰かに想いを伝えてもらうことに頼っていました。
そんな私に、「もう、そろそろ終わりにしよう」と語りかけてくれたような存在がいました。
清水涼子ちゃんです。
涼子ちゃんは、2025年7月20日、静かに旅立ちました。
まるで、このサミットを見届けるかのように——。
彼女の夢は、「愛と笑顔の講演家になること」。
病と向き合いながらも、最後の最後まで、自分の声で、自分の言葉で、想いを伝え続けました。
看取り士の柴田久美子さんは、サミットの中でこう問いかけました。
「人は、何のために死ぬのか?」
その言葉と、涼子ちゃんの生き様が、私の心に静かに届きました。
「私は、もう“誰かの言葉”じゃなくて、自分の声で、自分の言葉で、自分の想いを伝えよう」
そう、決意したのです。
今朝の空
先日、日本アーユルヴェーダ協会から、勉強会の講師依頼をいただきました。
もしこれが1年前だったら、きっと「私なんかが…」と思っていたと思います。
でも今の私は、違います。
涼子ちゃんが残してくれた“勇気の種”を、しっかりと受け取って、育てていきたい。
そんな気持ちで、今、前を向いています。