先日、ある友人と話をしていたときのことです。
共通の知人で、ステージ4bの癌を患っている○○さんの話になりました。
そのとき友人がこんな言葉を口にしました。
「○○ちゃん、命の時間を使っているんだね」
その言葉に、私は少し黙ってから、こう返しました。
「ちょっと待って。それって○○ちゃんだけじゃないよ。
私たちも同じように“命の時間”を生きているんだよ」
こう言うと、冷たく感じる方もいるかもしれません。
「なんて薄情なことを言うんだろう」
「心がない人だな」
そんなふうに思われるかもしれません。
でも私は、命の時間というものを、もっと広く捉えていたいのです。
今、多くの人が
癌=死
そう思い込んでいます。
たしかに、ステージによっては命を落とすこともあります。
ステージ4bとなれば、医師から「余命」という現実的な数字が告げられることもあるでしょう。
でもね、その数字は「ただの統計データ」に過ぎません。
実際に、
・余命通りに旅立つ方もいれば、
・その前に亡くなる方もいて、
・驚くほど長く生きる方もいます。
・そして、癌が治ってしまう方だっているのです。
じゃあ、その違いは何?
私は、命の時間の使い方にこそ、その答えがあると思っています。
不安、恐怖、絶望の中で日々を送る人。
たとえその感情を抱きながらも、命の時間を慈しみ、大切に味わって生きる人。
同じ“限られた時間”でも、その使い方によって、人はまったく違う人生を紡いでいきます。
私たちは皆、いつか終わりが来る命を生きています。
ただ、その「限りある命の時間」を意識して過ごしている人は、どれほどいるでしょうか?
もしかしたら、癌という病は、私たちに大切なことを教えてくれているのかもしれません。
「命の時間は、誰にとっても有限なんだよ」って。