義母が旅立ちました。
あまりにも突然で、
つい昨日まで元気だったと聞いています。
誤嚥性肺炎で入院。
一度は落ち着きを取り戻したものの、
嚥下機能が弱くなり、誤嚥を繰り返すため、胃ろうをつくりました。
退院に向けて準備をしていた矢先のことでした。
義母は、感情が豊かで、思ったことをすぐ口に出すタイプの人でした。
その率直さに、私は何度も戸惑い、時には傷つくこともありました。
結婚前、夫は言っていました。
「母はクセがある人だから、きっと苦労すると思う。
年を取って認知症になったら、手がつけられなくなるかもしれない」
その言葉どおり、義母の言動に心が揺れる日々が続きました。
心理学を学び始めた頃、
義母に対する怒りやわだかまりが次々と浮かび上がり、
それを手放すためのワークに何度も何度も取り組みました。
2017年、義母は急性腎炎で入院。
長い療養生活の中で、認知症が進行していきました。
晩年には、実の息子である夫の顔さえわからなくなっていたのに、
私の顔を見ると、にっこりと笑って
「徳子さん、よく来てくれたね」と言ってくれました。
“目の前の人は、自分の写し鏡” と言われます。
今、振り返ってみると、
義母は私の中に眠っていた「怒り」という感情を
引き出し、解放させてくれた存在だったのだと思います。
義母のおかげで、私は少しずつ
怒りを手放すことができるようになりました。
旅立った義母の顔は、まるで眠っているように穏やかで、安らかでした。
「お義母さん、ありがとう」