ネオジム熱間加工磁石(ダイドー電子提供)
大同特殊鋼の全額出資子会社で磁石製造のダイドー電子
(本社中津川市、渡邉剛社長執行役員)は9日、ヘビーレアアース(重希土類)不使用の
ネオジム熱間加工磁石について米国生産を検討していることを明らかにした。
レアアースの主産地である中国の輸出規制がサプライチェーン(供給網)上の課題となる中、
米国進出している日系完成車メーカーなどからの需要の高まりに対応する。
国内でも熱間加工磁石の生産能力を2030年までに現状比3倍強へ引き上げを目指す。
(岩〓(﨑)幸一)
同社が製造する熱間加工磁石は微細なナノ結晶構造を有し、
焼結磁石のようにヘビーレアアースを用いなくても高い耐熱性と高保磁力を発揮する。
現状は本社地区の工場でハイブリッド車(HV)や産業機器向けに月産40トン程度生産している。
米国生産について同社幹部は
「日系完成車メーカーから具体的なオファーがあり、現地生産を視野に入れている」
とし、ビッグスリー(米自動車大手3社)からも引き合いがあることを明らかにした。
その上で
「機械加工だけか、熱間プレスも全部持っていくのか。
米国で調達できない原料の問題もあり、リスクとコストを見極めながら
どこまで対応するのかを詰めている段階」
と述べた。
ネオジム系磁石の原料・製品の世界シェアの90%は中国産が占める。
課題である中国以外の調達網整備に向けては
「豪州でレアアースを採鉱し、マレーシアで分離するところまではできている。
(次工程の)精製までをタイかベトナムでできるようにしたい」
とした。
一方、国内での熱間加工磁石の増産に向け、本社地区のタービンハウジング工場跡地
を活用して第3工場を整備中。HV駆動モーター向けの需要増に対応するのが狙い。
来年2月ごろに量産を始める。第1期で27年度までに15億円を投資し月産能力45トンのラインを構築する。
第2期では90トン、30年をめどとする第3期では140トン~150トンレベルに
第3工場の月産能力を引き上げる考え。
一連の増産投資で総額50億円程度を見込んでいる。
全文846文字
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