小説「ブラック・トランジット〜ユナイテッド航空777連続トラブルの真実〜」(14) | 希望が未来への力

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第14話「血煙の中の誓い」

廃倉庫のコンクリート壁を弾丸が削る。火薬の匂いと金属音が交錯し、視界は白い粉塵で霞んでいた。
マヤは右脇腹を押さえながら、必死に息を整える。手袋越しにじわりと温かい血がにじむ。

「マヤ!」
セルゲイの叫びが、銃声の合間を縫って届く。
彼は彼女の隣に滑り込み、即座に防御姿勢を取った。
「動けるか?」
「……少しなら。でも、長くはもたない」
マヤは唇をかみ、わずかに頷いた。

その時、薄闇の向こうに黒幕の手下たちの影が揺れる。
「こっちだ!」という声と同時に閃光弾が炸裂、倉庫内は白く焼き尽くされたように光る。
視界を奪われた一瞬、セルゲイはマヤを覆いかぶさるように庇いながら、壁際へと転がり込んだ。

「行くぞ、後退ルートは確保してある!」
セルゲイは無線機を短く押し、アレックスの声を待つ。
『北側の出口まで30秒、急げ!』

マヤは痛みで足がもつれそうになりながらも、セルゲイの肩を借りて走る。
背後から迫る足音と、壁に跳ね返る銃弾の衝撃が、彼女の心拍を加速させた。

出口の直前、ふとマヤは振り返った。
白い煙の向こう、冷たい目をした黒幕がこちらを見ている。
彼の口が、はっきりと動いた。
――"Я найду тебя"(必ず見つけ出す)

マヤはその言葉を、氷のような恐怖と共に胸に刻み込む。
だが同時に、脇腹の痛みよりも強く燃えるものがあった。
次は、こちらが追い詰める番だ。

セルゲイと共に倉庫を脱出した瞬間、遠くで爆発が響き、夜空を赤く染めた。
その炎が、彼らの誓いを照らすように揺らめいていた。