彼とは、高校時代からの友人で~2年生で同じクラスになったことから…仲良くなる。
二人共大学受験に失敗し…予備校に通いながら、よく遊んだ。
私ら~のホームグランドは、H駅前のパチンコ屋やゲームセンター。
この頃から…いきがってタバコ等も覚え、正に~定年を終えた“おっさん”のような日々を送っていたのである。
そんなある日、遊び疲れ~時間もかなり遅くなったので…「そろそろ帰ろかぁ~」と声をかけ合う。
すると、Kちゃんが…思いがけない返しをしてきた。
「俺~どうしようかなぁ…今晩は、公園の土管の中ででも寝るわ~」
公園の土管…公園の土管~『こうえんのどかん???』
ひょえっ~~~
「おいおい…Kちゃん~気は確かか?」
そこにいた一同~びっくりして、その理由を問い質す。
実は…彼の母は~全く彼とは正反対で、『真面目』『厳格』『鬼』『規律』『父性』『三島由紀夫』…(もうええかぁ~)
とにかく、簡単に言えば~厳しいのである。
ある日…息子の机の中から、Hな本を見つけた彼女は~その夜Kちゃんをコタツのコードで、しばきあげた。
そんな彼が…浪人したことさえ許せないのに、一番勉強せなあかん時に~悪い友だちと遊びまくっている。
どうやら~そのことがバレて、家に入れてもらえないらしい…
「Kちゃん…お母ちゃんにちゃんと謝って、今晩は家で寝ーよ~もう明日から、俺らぁと付き合わんでええからな…」~そう伝えて、その場は解散した。
果たして、次の日~行きつけのパチンコ屋『赤玉』に…一番にやって来て、“セブンスター”を片手に玉を弾いていたのは~こともあろうにKちゃんであった。
見事に…昨日と同じ服である。
驚く我らに~彼は、「土管で寝たでー」と軽くひとこと…
それからも、しばらく…彼の“同じ服”は続いていった。
そんなKちゃんであったが~春には、何とかD工大へ合格…めでたく大阪に下宿することとなった。
我々が一番喜んだのは、彼が大学合格を果たしたことよりも~『鬼』から離れて暮らすことができるようになったこと。
しかし…『三島由紀夫』は、そんな息子をほっておかなかった。
度々~彼の下宿を訪れ、干渉し始めたのである。
Kちゃんの下宿は…もしかしたら土管と同レベルではないか~と思わせる程、ゴミが散乱し…食べかけの物が異臭を放ち、正にゴキブリの天国のような場所であった。
『厳格』さんは…そんな状況が許せない~彼女の過干渉は、次第にエスカレートしていく。
Kちゃんのストレスはどんどん溜まっていき~やがて、大爆発。
彼は、何と…そこに入れただけでも“奇跡”と言われたD工大を中退してしまうのだ。
大阪も離れ~彼は、母から逃げるようにして…失踪。
で、最終的にKちゃんが向かった先は…『信州』であった!





