3月22日深夜~16とその家族は...車で“関西国際空港”へ。


JL078便が、我らを待っていた。


イミグレを通過して...いよいよ機内へ。


長女は無邪気にはしゃいでいるが、長男は~幼い故に...ベビーベッドに寝かされている。


機内食が出てきた。


和食か洋食を選ぶように~フライトアテンダントに促される。


眠気を感じながら食す~結構美味しい。


翌朝...午前10:10ホノルル国際空港着。


Jodyさんの母が、レンタカーを準備してくれていた。


“JVD473”のナンバーを付けた...4ドアセダンタイプの車だ。


行きつけの『Sheraton WIKIKI ホテル』へと向かう。


そこでも、Jody’s Mamが私達のために、超豪華な部屋を準備してくれていた。


スーツケースを紐解いて、荷物の整理を始める。


幼い息子が~珍しげに荷物を触りにくるので、娘がバルコニーで弟を抱きかかえてくれた。


とりあえず、ホテルのコンビニでおにぎりを購入。


ベッドの上で食す。


「きょう、ひさしぶりのハワイにきた~めっちゃあつかった...あせをかいた、たのしい一日だった」~と娘が、近くのStaitioneryで買ったメモに...幼い字で綴っていた。


翌朝...お気に入りのプールサイドバーで、パンケーキとコーヒー等を食す~もちろん、子どもたちはジュースだ。


その後、家族揃って~ホノルルの街へ探検に出かける。


『ALOHAタワー』が、高くそびえていた。


その脇に置いてあったテーブルを使い~早めの“LUNCH”


カメハメハ大王の銅像と♪この木何の木~気になる木♪が見える。


あっという間に夜。


レンタカーで、お気に入りのアラモアナショッピングセンターへ。


フードコートで~経済飯とコーラを注文し、ひと満足。


その後、娘の大のお気に入りの『Dippin』というアイスクリーム屋さんへ。


ここの“つぶつぶアイス”は...とても美味しいみたいで、娘は満面の笑顔で頬張る。


翌日~島の東側にある『Sea Life Park』へ。


大きなウミガメがいたり、イルカのショーをやっていたが...雨が降ってきたため~お姉ちゃんはご機嫌斜め...弟もついに泣き始める。


2002年3月23日~ついに4人は、シェラトンワイキキのボールルームの扉を開くことになるのであった!




誰が『北』の大地なんて名付けたんや~


とんでもない...


『台風』の大地とでも、命名したかったわ...


とにかく、我らは~北海道に来て、初めて「利尻国民宿舎」という...メッチャ高い価格の宿に泊まった。


さすが...一人4800円。


立派な建物だし、中も綺麗~設備は完璧で...壁には消防の安全マーク。


売店はあるし...何と言っても“テレビゲーム”が置いてある。


部屋はちょっと狭いが、律儀にお茶が置いてあり~メッチャ美味しい...昆布のお茶菓子もついていた。


その上に...何とTVも備え付けらえている。


YHとの違いを、まざまざと見せつけられた。


でも、一番の違いは~豪華な夕食。


まともな飯を食べてなかった我らは、その豪華さに...心から驚いた。


台風10号のために~利尻からの船は、全便欠航。


俺達は...“利尻国民宿舎”に足止めを食らってしまったのである。


「あ~暇や...外は嵐でどっこも行けへんし、今晩もこんなとこにおるんかぁ...いややぞ~」


誰も、どうもしてくれなかった...


全便欠航のニュースは~鬼のように、我らに襲いかかる。


「俺らが...何か悪いことをしたんか?~なんでこんなうまいこと台風がくんねん...」


とにかく、何もすることがない...


一応~嵐の中を島巡りを強行してきたので、宿の中をウロウロするしかない。


そこで...Hイシの連れ~Mくんに出会う。


彼は、利尻YHからこの宿にうつってきた~何と3泊目。


「かわいそう...」と、人のことを言うてる場合じゃない16くんは...自分のことをさて置いて~呟いてしまった。


「下手したら~一週間くらい閉じ込められるんちゃあうやろなぁ...このまま時間がなくなって、真っ直ぐH市まで強制送還ちゃあうやろなぁ~」


そんな悪夢を思い描きながら、テレビをつける。


“残暑厳しい折で...大阪では、38℃を越えています~台風10号は、無事日本を通過しました”等とアナウンサーが、まったりと原稿を読む。


「おいおい~オッサン...“無事通過しました”やて~俺らのことはどないしてくれるねん...無視かいな~利尻におるもんは、どないしてくれるねん」


~台風の被害は割と大きかったらしく~ローカルニュースで、その様子を写し出していた。


根室では、10℃前後とか...


あ~っ、残暑厳しい折で~というニュースを素直に聞ける場所へ戻りたい...


まさか...北海道に上陸してほんの4日目に、こういう状況に置かれるとは~夢にも思っていなかった。


何もすることがなく、みんな愚痴をいうのにも疲れて~だんだんおかしくなってくる。


Hソンが花瓶からパチってきた造花の針金を使い~一生懸命、TV料金をうかそうと努力しているTマ。


そして、Hイシは~何かコソコソしている様子だったが...16くんが礼文島で買った色鉛筆を使って、そのキャラに似合わない~かわいい塗り絵をしていた~しかし、その色彩感覚は...誰もが認めないようなものだった。


「誰やねんこの足は~」...コタツの中で寝転びながら、みんな発狂寸前。


いつやむとも知れない嵐の音を聞きながら~利尻2日目の夜を迎えている。


ゲームセンターに入り浸っていた俺たちは、「ジャンピューターに金をつぎ込むくらいやったら~麻雀牌を借りてきて、サンマでもしょうかぁ」...ということになった。


寒いので...布団を被りながら雀碑を操作する。


半チャンを4回やって~Tマの一人勝ち。


しかし、泣きのお願いが入り...もう数回おこなったので~結局、Hヤンの勝利で終わった。


後にも先にも~同じ宿の領収書をもらったのは、『利尻郡東利尻町鴛泊ホテル国民宿舎北国』だけだ。


2日目になると...荷物も部屋中に散らかり、布団もそのままにし~雀卓もそのままで~もう下宿生活をしているみたいに思われた。


普通は、その土地が気に入ってもう一泊という風になるのに...我ら6人組は~無理やり連泊する羽目になってしまったのだ...





















♪君を訪ねて~“姫沼”悲し♪~ホンマ、この歌の通り...車押しは悲しかったわ。


姫沼については、かなり期待しとったんやけど...ガックリ!


何と~川を無理やり堰き止めて、沼にしたらしいのだ。


「ドブ川を堰き止めたくせに...こんな綺麗な名前を付けんとってほしいわ~」と、雨の中をピースサイン...


後で、姫沼のパンフレットを見てみると~何とそこには「Real 姫沼」が掲載されていた。


利尻岳の緑が...姫沼の水面に映えて~メッチャ美しい。


その違いに、5人はずぶ濡れになりながら~ガックリと肩を落とした...


何とか...島を一周。


「時間が余ってるので、もう一周しよか...」と~誰かがうれしそうに提案する。


冗談やないで~と言いかけている間に、ホンマにもう一周しかける。


古いコロナは...本当に沓形港へと向かった。


女子校生に聞く等~迷った挙句、“マリンハウス”へと到着。


「これで一服できる」...と喜び勇んでその扉に駆け寄っていくが、ガッチリと鍵がかけられていた。


仕方なく~近くの『沓形岬』へ。、


そこには、ひっそりと石碑が建てられていた。


“大阪まで1350㎞”~.姫路までやったら、ざっと1450㎞くらいか...


「エラい遠い場所まで来たんやなぁ~こんなことまで来て何しとんねん」と、私。


ここまで、確かにすばらしいことも経験してきたはずなのだが~今は...ろくなことしか頭に浮かばない...


『どんどんどんと波乗り越えて...』~と、先端の石碑に刻んであった。


“時雨音羽”という人の詩らしい...


この詩こそ~正に我々5人のことを皮肉っているようで、悲しい気持ちが湧き上がる。


さて、利尻岳は...その形が富士山に似ているところから~『利尻富士』と呼ばれている。


それも~沓形岬から眺めた利尻岳が、最も富士山に近いそうである。


あわてて...パンフレットを手に取ってみる。


そこには、コロナ5人組が目にしている利尻岳とは~似ても似つかぬ『本物の利尻富士』の姿が...掲載されていたのである!




















クリスマスの朝~やっと長男と長女が起きてくる。





長男は、朝から...“粗大ごみ”の手伝いをしに行った。





帰宅する。





急いで階段を駆け上ってくるその音を...私は、ふとんの中で聞いていた。





「やった~」...近所にも響き渡りそうな大きな声が~鳴り響いた。





そう、サンタさんからのプレゼントを発見したのだ。





息子は、急いで包装紙を破っていく。





『ワンピースのパズル』が姿を現す。





もちろん、サンタさんからの心のこもったお手紙も~同封されていた。





今日は、おじちゃんの法事。





車で...筍で有名なOイチへ向かう。





法事が始まる前に~息子と村の散策へ出かけた。





「ぼくとおんなじ苗字ばっかりやなぁ...」~息子は、不思議がる。





この村は...同族が中心で、同じ氏を持つ人々が多い。





さらに進む。





あの『夢の店』が、見えてきた。





今は親戚の手に渡ってしまった...店の駐車場でしばし遊ぶ。





古い家と新しい家のコントラストが~浮彫となっている。





都会から、安い住居を求めてやって来る人がいるのだ。





父が、昔~“釣り”や“蛍狩り”をした川へと出る。





「ぼくも...ここで釣りをしたいなぁ」~と、釣り好きの息子。





県道を渡って、山の方へ。


、


そこには~一面の田んぼが広がっていた。





「実はなぁ...ここの田んぼもあっちの畑もああの山も~みんなおじちゃんのものやったんやで」...と投げかけてみる。





「ふ~ん、そうなん」...実にあっけない返事であった。





彼は、そんな不動産のこと等~まだまだ興味がないようだ。





間もなく...法事が始まる時間なので、急いで引き返す。





もう、今日の法事の中心となる『先生』は~到着していた。





同じ宗教を信じている人たちが...4人程集まる。





お祈りが始まった。





座敷に全員が集合して~厳かに先生の御言葉に耳を傾ける。





彼も、(嫌々ながら)参加していた。





結構早く終わってしまう。





息子とその母は...「塾があるから」と先に出て行った。





母と今は「夢の店」の持ち主となっているおばちゃんは、「お墓詣りに行くから」と。





そこで、私は弟の車に乗せてもらって~一路帰宅した。





そこには...塾を終えた息子が、パズルの木枠を買ってきて~必死で組み立てようとしていた。





やがて、夕食の時間。





今日は...母の帰宅が遅いため、久々家族揃っての食卓だ。





いつものように~食べにくい。





薬を飲んでいる父の姿を見て、息子は...かなり厳しいことを問いかけてきた。





「一体、パパは何の病気なん...」





~答えられない。





「なんで、こんな薬飲んどん?」





~答えられない...





「味覚障害っていう病気やねん」...と彼の母がフォロー。





私は、息子と正面から向き合えない自分にはがゆさを感じながら~再び...『引きこもり部屋』へ。





その後、長男は何事もなかったように~「勉強教えて」...と訪ねてくる。





ホッとした父。





私は、まだ早いと感じながらも~『いつかきっと』という思いで...『Last Xmas』の役割を果たした満足感じながら、床に就いた!




















































photo:01



フェリーに一歩足を踏み入れただけで~『台風10号』の凄さが、感じられた。

ようやく…礼文YHのテレビで観た台風のニュースの意味を実感し始める。

とにかく、フェリーの揺れが凄い。

まず~隣に座っていた女子が吐き、その匂いが…船内に充満する。

TマとHイシは…トイレに駆け込んだまま、戻ってこない。

私も~船の揺れと船内の匂いに気分が悪くなり、昼飯の“千両ラーメン”をもどしそうになったが…体を横たえて、何とか凌いだ。

長い…長い「50分間」であった。

やっと、『利尻島』の鴛泊港着。


ここで~偶然Hイシの連れのMキくんが出会う。


稚内へ向かうつもりだったのだが...全て“欠航”になってしまっていたのである。


予約していた国民宿舎に到着。


6人共~フェリーの影響で、死にそうだ。


雨と風は、刻々と強くなる。


そんな中...我らは~何と『レンタカー』を借りて、島を一周することにした。


Hイシはダウンしていたので、残りの5人で出発。


レンタカーは~一昔前のコロナ...


ほとんど車は見かけなかったが、高校生を結構見かける。


何と~バイクで観光している人がいたのには、ビックリ!


もちろん...「利尻岳」なんて見える訳がない。


少し収まっていた雨が~また降り出す。


細い山道の方向に...『姫沼』の矢印が見えた。


「姫沼って山の上にあるんか...」


~そんなことを思いながら、展望台へと向かう。


当然...展望どころではない。


帰り道。


何を思ったか~我ら4人は...Hソンに運転を任してしまった...何やかんや言いながらも、一応彼を信じていたからである。


最初は肩に力が入っているHソンを冷やかしながら...みんな笑ってた。


その信頼は、裏切られる。


笑いも消える。


彼は迷走をし始め~自らも迷いながら、道を外れて突っ込んだ。


『ドッカ~ン!!!』


やばい...トボトボと宿まで歩いて行く姿が頭に浮かぶ。


みんなで、車を押し始めた。


幸いにも~エンジンはかかった。


ホッと一安心。


この事件以降...Hソンに二度とハンドルを握らせることがなかったことは~言うまでもない!













“死のスクーターツーリング”から~奇跡的に生還した我ら6人は、YHに戻ってからも...ガタガタ震えていた。


最早、「桃岩」どころではない。


飯を食べて...長崎大から来たという奴と風呂に入ると~いくらか落ち着いた。


その後、このYHのミーティングに参加。


桃岩YHほどではない(らしい)が~なかなか面白かった。


「礼文岳(だけ)のことを英語で言うと...“Only礼文”です~」


~YHのヘルパーが、女子のことしか考えてないような汚い身なりの兄ちゃんで...こんなしょうもないことばかり言ってたが、こともあろうに~受けていた。


ミーティングの仕上げは~やはり『歌』だ。


キタキタ...と、冷めた気持ちでいたのだが~不覚にも知らず知らずのうちに乗せられて...歌ってしまう。


結果的に~羽幌YHなんかに比べると、はるかに楽しかった。


何気なく、ミーティング後にTVを眺めていると...『台風10号』が北海道に接近していることを告げている。


しかし、この時~アホな私は...このニュースの重大性にまだ気付いていなかったのだ。


昨晩のミーティングで...歩いて礼文島の西海岸を巡る、「8時間コース」「4時間コース」の説明があった。


我らというと~軟弱もんが揃っているということもあり、剥離骨折直後の奴もいる...ということで~どちらのコースにも参加しなかった。


後でわかったことなのだが...礼文島は、島の西海岸のみが“国立公園”になっていて~ここに来て西海岸を歩かなければ、何の意味もなかったのである。


さて、礼文YHの連中はほとんどが出かけてしまい~残されてしまった我らは...とりあえずフェリーターミナルへ行ってみた。


そのターミナルで、ボケ~っとしてると...桃岩YH泊の連中がフェリーに乗り込もうとしている。


YHあげてのすごい見送り風景だ。


突然...全員が大声で歌いだす。


♪月光仮面のおじさんは~♪赤いリンゴに唇寄せて~♪そら...リンゴの“リ”を“チ”にかえて~♪等々...


そのメッチャ楽しげな情景を、ターミナルの影で...ひっそりと見送った。


余りにも暇だったので~『郷土資料館』なるものを見つけ、入ってみる。


島の暮らしを紹介したビデオを放送していたのだが...先程フェリーターミナルで繰り広げられた雰囲気とは、全く違った現実が映し出せれていた。


改めて~島の“冬の暮らし”がいかに過酷なものであるかを...思い知らされる。


そうこうしている内に、我らが乗船するフェリーの時間が来てしまう。


荷物を持って~ターミナルへ。


見事に...だ~れの見送りも~なし...


寂しく~寂しく、「魔の礼文」を離れ...『利尻』へと向かう。


その場が、礼文以上の“ドツボの地”になろうとは~もちろん、この時はまだ知る由もなかった...






ツーリングに戻ろう!


『軽井沢』に向かう途中、Kちゃんが逃避行をしていたという~山奥の農家に立ち寄る。


そこには...一面の白菜畑が広がっていた。


おじちゃんとおばちゃんが飛び出して来て~我ら4人を歓迎してくれる。


その二人の他にも...出てくる出てくる~たくさんの小さな子ども達が、無邪気な笑顔を見せてくれた。


さっそく、いろんな話を伺うことにした。


「これだけの白菜を手で摘み取っていくので...その大変さは口に言い表せないほど、大変な苦労を要するんです」


「もちろん、親戚や近所の人達にも手伝ってもらってるのですが~それだけでは...とても手が足りず、都会からたくさんのアルバイトの人を募集してるんですよ」


「Kちゃん?...彼も、よーく頑張ってくれました~こうやって覚えてて来てくれるなんて...うれしい限りです!」


おじちゃんとおばちゃんがしきりに強調したのは、その仕事の大変さだった。


実際に~畑を案内してもらう。


なるほど、多くの若者達が...慣れない手付きで~泥まみれになりながら作業を行っていた。


その時~私はふと自分の生活を振り返る。


普段何気なく食べたり、時には残したりしている“白菜”は...このような山奥の大変多くの人たちによって~栽培され収穫されてるのだ。


そんなことを...考えたことがあるのか~何か自分に対して腹立たしい気持ちが、湧き上がってきた。


次々と小型トラックに積まれて、運んでいかれる白菜を眺めながら~「もしかしたら...Kちゃんは、大阪にいるよりも~大学での勉強よりも、数倍“大切なことを学んだ”のではないか」...という思いさえよぎる。


“大家族”に見送られて...いよいよ軽井沢へ。


そこには、泥まみれになって働いていた若者達とは~全く別の世界が待ち受けていた!






正に~父が近くのスーパーマーケットまで歩いて買い物に出かけようとしていたその時、長男が声をかけてきた。


「一緒におじいちゃんのとこ行こ!」


同意して、車を出す。


彼の祖父の家は~H市の隣...K市にある。


途中、私が行こうとしていたスーパーに立ち寄る。


彼は...一目散に“おもちゃ売り場”へ。


お目当ての~ジグソーパズルのコーナーを探し回る。


私は、その間...そっと百円ショップへ行って~プレゼント用の袋を買い求めた。


「これがええなぁ~」...彼は、ワンピースのパズルを指さして~やや遠慮がちに訴えかけてきた。


「どうかなぁ...」と私。


名残惜しそうに、その場を去る。


その後~一路、K市へ。


突然の訪問なので、どうかなと思っていたが...果たしておじいちゃんはいた。


長男は~まず今日もらって来た『通知表』を見せる。


「ええなぁ...1学期から欠席がゼロやないか!~それが一番大事なことやぞ」


実は、そんなにいい成績ではなかったのだが...おじいちゃんは~必死でほめてくれた。


その頑張りに...結構な額の報酬をもらったこともあって、息子ははにかんだ。


おじいちゃんの庭は、かなり広く~彼とその姉が生まれたことを記念した木も植えてある。


あの時は...ビニル袋に入るくらいであったが、今では~彼らの背丈の何倍もの高さだ。


今は亡き、おばあちゃんの仏壇にお参りをして~お暇をする。


再び...車の中。


行きは寝ていた彼だが、帰りは起きていて~様々なことを話しかけてきた。


「ぼくなぁ...中学校に行ってやりたいのは、やっぱり“野球”やねん」


「今のJ中は人数も少ないから~できればクラブチームに行きたいなぁ...」


「今夜は、サンタさん来てくれるかなぁ...」


「あかんかったら~おじいちゃんからもらったおこずかいでパズルを買おうかなぁ~」


「できれば...サンタさん~中学生になっても来てほしいなぁ」


「お姉ちゃんも来てるから~ぼくも来るよね...」


「将来も、野球選手になれたらいいなぁ~」


次々と、言葉を発する。


確認するが...彼は12才だ。


まだ、本気でサンタさんを信じているのが~可愛くもあり...切なくもあり。


“実はなぁ~中学生になったら、サンタさんは来ない可能性が大きいねん...”~そう心の中でつぶやきながら...私は、彼の幼さと謙虚さに...涙を抑えるのが精いっぱいであった。


帰宅。


気を遣って早く帰宅した娘も含め~家族が、大きなケーキを用意して~待っていてくれた。


ろうそくに火を灯し...クリスマスソングを歌う♪


私も、久々(恐々ながら)ケーキを食す。


いつもながら~白十字のケーキは美味しい。


こうやって4人揃っての“Ive”は、最後なんだろうか...


再び、込み上げてくる。


それを隠すように~そそくさと自分の「引きこもり部屋」へ。


抜かりなく...(最後となるかもしれない)Santa Clauseの役割を続ける。


窓の外から、陽気なクリスマスの歌声が聴こえてきた。


その明るさとは裏腹に~ついに零れ落ちてきた滴を拭いながら、プレゼントを詰めていく。


長男には...ワンピースの1000ピースパズルとイチローの伝記~長女には、図書カードと一人暮らしを始めた大学生のエッセイ集...そして、妻にも欲しがっていた日用品。


毎年のことだが、それぞれの袋の中には~心を込めた感謝のメッセージを手紙に書いて...入れておく。


さぁ...もうすぐ夜中の12時を時計の針が指しそうだ。


「お休み~また明日ね...」と無邪気に挨拶をし、長男と母は床についた。


引きこもり部屋に積まれている~プレゼントの山を見つめながら...やっと父の心は落ち着く。


果たして、明日の朝...それぞれどんな反応を見せてくれるのかなぁ~


その喜ぶ笑顔を密かに想像しながら~今から彼らの枕元に向かうこところである...











フェリーのタラップを~降りる。


ついに...『礼文』だ!


北海道のことをあまり知らない私でさえ、礼文のことは多少知っている。


港では~客引きが凄い。


我らは...「礼文YH」を予約していた。


礼文島のYHは、主に「礼文YH」と「桃岩YH」に分けられる。


礼文の“香深港”には...この二つのYHから、迎えが来ていた。


迎えのトラックが、それぞれ一台ずつ並んでいる

「あ~っ...俺らは“右側”やんけ~左側の方が楽しそうやなぁ...」


『薬女の娘ら~』も、左側やぁ...


その右側のバスこそが、“悪魔からの招待状”であった。


一応~10人くらい集まった、礼文YH宿泊者が...トラックでその悪魔の館へと向かう~はずであったが、「私達はちょっと観光してきます」との言葉を残し...その場を去った。


これが、とんでもない...全くとんでもない“間違い”の始まりだったのである。


それは、「バイクを6台も借りるんやったら...はよ言わななくなってしまうぞ~」というHソンの提案から始まった。


「何や~ただのスクーターか...6台全くおんなし物やったら、恰好悪いなぁ~」と、最初は穏やかだった。


“目的地”は、すぐそこやと思っていた。


いよいよ...スタート。


「海から打ち寄せる波が~迫力あるなぁ」と、眺めていたのも束の間...「えらい寒いんちゃあうんけぇ~風もキツイなぁ...」


「狭い道やのに、バスが煙を吐きながら走っとうぞ~工事しとんかえ...片道走行しかできんのかぁ...」


「益々風がキツイぞ~おっと、横風でこけそうや...いくらなんでもトレーナーくらいでは我慢できん~下手したら風邪ひきそうやなぁ...」


「こら完全に風邪ひく...熱出たらどないすんねん~わーっ、カゴに積んどうヘルメットが...落ちるぅ~あ、落ちた」


「わーっ、みんな先に行ってしまう...それにしてもこのバイク~スピード出んなぁ...おっとカーブや~死ぬほど寒いっ...」


「H市におる奴らーは、俺がこんな北の最果てに来て~えらい目におうとうとは...夢にも思てないやろな」


「ちょっとスピードを落として...寒さを凌ごう~あかん、益々差が開いてきた...やっぱ全開やぁ~こりゃこけたら、死ぬなぁ」


「こんな北の果てで~死にたないぞ...おっと前からトラックや~危なぁ...ところで、このスクーターツーリングは~どこまで続くねん...」


「まさか、みんなどっか寄っとんちゃあうやろなぁ...やっとKヤに追いついた~道が分かれとうぞ...よし、聞いてみよう~」


「左ということや~おいおい、なんか山に行っきょうぞ...えーっ、エンジンが苦しがって上らへん~民宿のマイクロバスに抜かれたぞ...」


「何でYHなんかに泊まったんや...寒さも感じんようになってきた~感覚が麻痺してった...一体どこまで行くんや~」


「おっ~ここかぁ...寒いだけやなぁ~あぁー寒い...さっさと帰りたい~一体何やったんやこの“岬”は...」


「今から、もう一一回~スクーターに乗って帰るってかぁ...ドつぼぉ~~~~~~」


この後、ヘルメットを1回...カメラ三脚を2回~バッグを落とし、怒涛のツーリングから何とか命からがら帰ってきた。


そこで~我らは、礼文最北限の岬(スコトン岬)を『スカタン岬』と名付けたのでした!










8月21日~いよいよ日本最北端の街…『稚内』へと足を踏み入れる。



北の果てにあるくらいなので、メッチャさびれとんかなぁ…と思っていたのだが~結構賑やかだ。



道路は綺麗に整備されているし~商店街も立ち並んでいる。



何よりも…“AUTOBACS”を発見したのには、ビックリ!



小樽でも見かけなかったからである。



やはり、ここは~日本有数の『漁港』として…栄えているのだろう。



車を稚内港のPに預けて…『礼文島』行の東日本海フェリーへと乗り込む。



さすがに、結構揺れる。



折しも~船室のテレビでは、夏の高校野球“決勝戦”を映し出していた。



何も…こんなとこまで来て、高校野球なんか観ることもないやろ~と、最初はR1909のスケッチ等をしてたのだが…船室内から、イヤに大きな歓声が聞こえる。



9回裏まで~取手二高に1点リードされていたPL学園が、何と土壇場で追いついたのである。



もう…ほとんどのフェリー乗客はテレビに釘付けになり、関東出身者は「取手二高」~関西出身者は「PL学園」の応援を大声で始めた。



そして、9回裏~PL学園が“さよなら”の場面を迎える。



関西出身者のボルテージが最高潮に達するも…惜しくも凡退。



さぁ~何とか10回表を凌いで、『優勝』の瞬間を観るぞ…と益々テレビに前のめりになったその時~何と、フェリーが礼文島の港に到着。



いやいや…もう礼文なんてエエから、このまま引き返してでもテレビを観とくわ~と、駄々をこねたい気分ではあったが、ふと我に帰り~渋々下船したのだった…