何となく本屋さんを徘徊していると面白そうな表紙を見つけました。
私はこういうまったりとした雰囲気の絵が好きなので手に取ってみると「行動経済学」と書いてあります。
「なぜ人はゼロ円にひかれるか」と書いてあるとこれは読まなくてはいけない。
以前、コンサルをやっている人と話をしたときに、こういった人の心理をついたマーケティングが行われていて、企業はすべて人間の五感を刺激して物を買わせるようにしているのだそうだ。
かつて、「ゼロ円」という衝撃的な広告でシェアを拡大したSoftBankのやり方は最終的にゼロ円じゃなかったことで半分詐欺まがいな広告とされて規制されました。
しかし相変わらず楽天モバイルも同じ手法で業界参入して結局失敗。
今や本丸も崩れかけているのは、やっぱりゼロ円で食いついた人をつなぎ止めておくための、本来の価値の方が重要である事を証明しています。
そういう我が家も「ゼロ円」「無料」というものに引き込まれて、結局、それ以上の金額を支払うことになることが沢山あり、我ながら馬鹿だなと思いながらも、それを楽しんでいます。
ローソンのブラックサンダーを貰うために他のものを買って500円使ったり、コークオンアプリで一本無料券を貰うために、わざわざ定価の自動販売機で買ったり。
我が家のゼロ円ビジネスの一番の被害はガスストーブで、貰った以上は使ってみようということで、結局、年間5万円ぐらいの出費になっています。
それでも「騙された!」と思うよりも「まあ良いか!」と思わせるところがこの商売の核心の部分じゃないかと思います。
大学院まで心理学をやっていた娘によると「人間は無駄遣いをしないとストレスが溜まる」のだそうだ。
こまめに「自分のための小さな無駄遣い」をしていると大きいストレスを回避でき、しかも、買い物依存症のような一度に大金を無くすリスクは減るらしい。
私にとっては無料のブラックサンダーとついでに買うシュークリームがそれに当たるのかもしれません。
この本の中で自分に当てはまるのが「無料奉仕の方が真剣に取り組む」ということです。
例えば今、毎月、1~2回、大和流柔術と太極拳の教室をやっていますが、会場費の500円しか貰っていません。
わざわざ本職の仕事を断って損失を出しながら教室をやっているのは奉仕活動というより自己満足に過ぎないと分かってるからだと思います。
この本の中でも例として、無料で教えている剣道の先生に生徒が
「お金を払います」
というと、
「お金を貰うとしたら、到底、君たちには払えない額になる」
と断ったというエピソードが紹介されています。
結局、提供する側には「経験にはお金に変えられない価値がある」という心理が働いていて、それをお金にする事への恐怖心があるからだと思います。
「あんなに苦労したのに最低賃金以下か」って。
世の中にはそういう心理を利用して得しようという経営者がたくさんいますから気をつけて下さい。 特に高齢のワンマン経営者に多いです。
この本には他にもなるぼどなって思わされる内容がたくさん書いてありますが何しろ長い。
読んでいて、もっと簡単に箇条書きにしてくれと思いながら読みました。
暇な人は読んでみて下さい。
忙しい人はYouTubeの解説動画で良いと思います。
そういうことで私の奉仕活動の案内です。
患者さんに頼まれて太極拳の教室をやることになりました。
当然、報酬は「無料」です。
残念ながら会場がそんなに大きくなくて、もはや枠が埋まってますから告知する必要は無いですがこれもまた自己満足です。
あー
人間って欲深い。