筑紫国君主とイマジン | 堀田はりいと猫サリーのブログ

「ジョン・レノンのイマジンは『東遊伝』のために作られた歌のように感じた」


これは、「東遊伝」を読んだ友人と電話で話をしている時に、友人が口にした言葉である。本当に嬉しい友人の言葉だった。

物語には芸能や音楽を、そしてロックも盛り込みたいと思ってはいたが、当初、「イマジン」を古代日本に蘇らせることなどは、全く考えてはいなかった。ところが、物語を書き進む内に、勝手に「友情」や「和」のストーリーを持つようになり、物語の終盤、「イマジン」(万葉歌風訳:堀田はりい)が古代日本で詠(うた)われても不自然ではない状況になっていた。

詠うのは筑紫国の君主薩夜馬(さちやま)だ。ただし、詠うときは歌人の名である。薩夜馬の名前は「日本書紀」に登場する。

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671年11月02日。沙門道久、筑紫君薩野馬(薩夜馬のこと)、韓嶋勝娑婆、布師首磐の四人が唐から来た。彼らが申すには、唐国の使人郭務悰等600人、送使沙宅孫登等1400人、総計2000人が、船47隻に乗り、比知島に停泊・・・。

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「日本書紀」のこの記載は、わたしは663年、倭国・百済の連合軍と唐・新羅の連合軍が戦った「白村江の戦い」(はくそんこうのたたかい)の際に捕らえられた倭国軍の捕虜の釈放だと推理している。

捕虜で帰国したという薩夜馬のイメージが、薩夜馬という筑紫国君主を描く上で、少なからず影響を与えたことは間違いない。

古代歴史ファンタジー小説「東遊伝~鷹王と八百万の神々」の著者のブログ-cover
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