3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

地球の選択 - 二つの未来 

では、「もうひとりの私・見知らぬ世界へ」を読んでみてください。全3話の2話目になります。

爆 笑爆笑爆笑


陽介は目を覚ました瞬間、何かがおかしいと感じた。寝室の壁に飾られたポスターが見慣れないものだったからだ。立ち上がり、窓の外を見ると、見知らぬ街並みが広がっていた。彼は自分の部屋ではないことに気づき、混乱した。


外に出ると、人々の視線が彼に集まる。空は青く、建物は見慣れぬ形をしており、通りを行き交う人々の服装も彼の知る世界とは大きく異なっていた。陽介は突然、声をかけられた。「陽介、大丈夫か?」彼らは陽介を知っているようだが、陽介には彼らが誰なのかわからない。陽介は混乱し、その場を離れた。


彼は混乱しながらも街を歩き続けたが、次第に人々の視線が鋭くなっていくのを感じた。彼の存在がこの街にとって異常であることは明らかだった。やがて、彼は警察に追われることになった。彼はただ走った。なぜここにいるのか、何が起きているのか、何もかもが謎だった。



なんとか、服を手に入れ、街に溶け込むことが出来た。図書館を訪れて、様々な本を読んで、この世界を学んだ。なるべく目立たないように街外れのカフェで食事をした。数日間、この繰り返しを続けた。自分が経験した内容は、この世界では都市伝説といわれるような現象であり、現実離れしたものだった。しかし、陽介は何かを理解し始めていた。


その日も、陽介は街外れのカフェで、一息ついていた。出入り口に目をやった時だった。自分と同じ顔を持つ少し若い陽介がカフェのドアを開けた。時間がゆっくりと進んでいるように思えたが、気が付くと若い陽介の前へ足が赴いた。目の前に立つのは、鏡に映したかのように自分と瓜二つの存在。しかし、その瞳には自分にはない、何かが宿っているように思えた。その瞬間、陽介は理解した。彼らの出会いがただの偶然ではなく、何かもっと大きな意味を持つものであることを。



「あなたは…私?」若い陽介が、困惑しながら尋ねてきた。


その疑問に微笑みながら頷いた。「私は、あなたと同じ陽介。だけど、違う世界から来たんだ。」


「違う世界?」少年は驚き、目を見張った。「どういうこと?」


「私たちの世界は、無数に存在する。私はある理由で、私の世界からここへと越境してしまったんだ。そして、君を見つけた。」


私は、彼らが出会ったことの意味を語り始めた。二つの世界が交差する点で、彼らは互いに出会う運命にあったのだと。私はこの異世界での経験を通して、自分自身とこの世界について多くを学んだと語った。そして、彼らの出会いが、ただの偶然ではなく、何か特別な目的を持っていることを示唆した。


彼らの会話は、カフェの静かな午後の空気の中で、周囲の客たちの好奇心を刺激していた。若い陽介は、異世界から来たという話に驚きながらも、目の前の自分と似た存在から目が離せなかった。「特別な目的って、具体的には何?」彼が尋ねた。


陽介は、深く息を吸い込んでから答えた。「正直、全てを理解しているわけではない。だけど、僕たちの出会いが、二つの世界の間に何かしらの影響を与えることは確かだ。たぶん、僕たちにはそれぞれの世界を何らかの形で良くする使命があるんだと思う。」


「でも、どうやって?」若い陽介が問いかけた。


「それを一緒に見つけ出すんだ。」陽介が答えた。「僕がこの世界に来たこと自体が、何かの始まりを意味している。君と僕、二人の陽介が力を合わせれば、きっと道は開ける。」


若い陽介は、この突然の出来事に戸惑いつつも、目の前に広がる可能性に心を躍らせていた。彼らは、お互いに多くの質問を投げかけ、答え合った。彼らの話は、過去の経験から未来の夢まで及び、二人の間には深い絆が生まれ始めていた。


そして、陽介は提案した。「君の世界を僕に見せてくれないか?僕も、僕の世界の話をもっと君にしたい。互いの世界を知ることが、僕たちの使命を見つけ出す手がかりになるはずだ。」


若い陽介は、迷いながらも頷いた。「いいよ、見せてあげる。でも、僕たち本当に何か大きなことができるのかな?」


「できるさ。」陽介が微笑んだ。「僕たちが出会ったこと自体が、もうすでに奇跡みたいなものだ。この先には、もっと大きな奇跡が待っている。」


そうして、二人の陽介は、共に新たな冒険へと歩み出した。彼らが出会ったこの日から、二つの世界は密接に結びつき、彼らの旅は未知の領域へと広がっていくことになる。彼らの前には無限の可能性が広がっていた。そして、彼らがその意味を見つけ出す日も、遠くない未来に訪れるだろう。