3分読書、読んで頂き、ありがとうございます。

これまで書いた作品も、読んで頂ければと思います。

地球の選択 - 二つの未来 

では、「描かれた運命」を読んでみてください。

爆 笑爆 笑爆 笑


高校2年生の美咲は、普通の女子高生だ。漫画をこよなく愛し、自分でも趣味で漫画を描いていた。彼女には、心を開ける親友の絵里がいた。二人は何でも話し合える仲だった。

ある日、絵里が美咲に恋愛相談を持ちかけてきた。その相手が美咲も密かに憧れていた同級生の拓真だと知り、心の中は複雑な感情で揺れ動いた。しかし、美咲は親友を思い、応援すると伝えた。時間が経つにつれ、絵里と拓真はお互いに惹かれ合い、ついには交際を始めた。


美咲は表面上は二人を祝福しつつも、心の奥底では後悔と嫉妬に苛まれていた。その葛藤を抱えながら、美咲は自分の感情を漫画に昇華させることにした。漫画の中で、自分をモデルにした主人公が親友との関係や恋愛感情を通じて成長していく物語を描き始めた。

美咲の漫画は現実で起きたことは書き終わり、未来を描くようになった。すると、不思議なことに、美咲が描いた漫画のストーリーが現実に反映され始めた。漫画で描いた通り、絵里と拓真のカップルが喧嘩をし、そして和解する。美咲は偶然なのかを確かめるため、もう一度、喧嘩するストーリーを描いてみた。またも、漫画のストーリーが現実に反映された。美咲はこの現象を確信し、漫画の中で憧れの拓真が最終的に主人公と付き合うストーリーを描いた。


数ヶ月後、漫画のストーリー通りに現実が進んでいき、現実でも美咲と拓真が急接近し、ついには交際を始めることに。美咲は漫画が現実を創造する力に感謝し、幸せの絶頂にいた。

しかし、その幸せも長くは続かなかった。美咲が一番大切に思っていた親友、絵里とは、自分の幸せに気を取られて連絡を取り合うことが少なくなっていた。そしてある日、絵里が自殺未遂を起こしたという知らせを受けた。美咲の心は深い後悔と罪悪感で満たされた。

美咲は、自分の行動と漫画が引き起こした現実に向き合うため、再びペンを取った。今度描いたのは、親友との関係を修復し、二人で支え合う物語だった。絵里が回復した後、美咲は漫画を絵里に見せ、素直に自分の気持ちを絵里に話した。二人の間にあった誤解が溶けていき、二人の顔に笑顔が戻った。

漫画を通じて、美咲と絵里は再び絆を深めることができた。美咲は、自分の才能がもたらした影響の重さを理解し、それを人々の幸せに繋げるための力として使うことを誓った。美咲は自分だけの幸せではなく、周りの人々の幸せも大切にすることの重要性を学ぶ。漫画を通じて絵里との絆を修復したことは、彼女にとって大きな成長の瞬間であり、真の幸せとは何かを再認識する機会となった。

絵里との関係を修復した後、美咲は漫画を描くことの意味を改めて考える。彼女は、漫画が人々に影響を与える力を持っていると同時に、その力を使って人々を幸せにする責任も伴うことを深く理解する。そして、彼女は自分の才能を使って、人々に希望や勇気を与える物語を描き続けることを決意する。その後、漫画を描いても、現実に反映されることはなかった。ただ、美咲の漫画は人の心を豊かにする力は残っていたようである。

美咲は今日も、自分の心に素直に漫画を描き始めた。

物語は、美咲が新たな漫画のページを開き、明るい未来に向けて筆を進める場面で終わる。これまでの経験を通じて学んだ教訓を胸に、彼女は自分と周りの人々の幸せを願いながら、新しい物語を創造していく。

この物語は、才能の使い方と、人との関係の大切さ、そして選択がもたらす結果について考えさせられる。美咲は、自分の漫画が現実に影響を与える力を持っていることに気づき、その力の使い方に責任を感じ始める。彼女は自分の幸せを追求する中で、大切な人を傷つけてしまった罪悪感と向き合い、その後悔をバネにして、より良い未来を築くことを決意する。

「描かれた運命」は、才能と責任、友情と成長の物語であり、みなさんが自分の行動が周りの人々にどのような影響を与えるか、そしてどのようにしてその力を肯定的に使っていくかという問いを投げかける。