被災地に行ってきました② | 豊島圭介「とりあえず急いで口で吸え!」

豊島圭介「とりあえず急いで口で吸え!」

映画監督 豊島圭介のブログ

まだ「マジすか学園2」撮影中のある日、深津プロデューサーと次の企画の話をしている際に、やはり話題は被災地にまつわる話になった。ある監督は撮影中の映画のあるシーンを被災地で撮影することに決めたとか、また別の監督も生まれ故郷の福島に向かったとか。被災地に向かうこととその人の「善性」とかとはまったく関係ないと思うし、センセーショナリズムも悪いことじゃないのも知ってるし、へえ、そんな人たちもいるんだ、などとそのころは他人事みたいに聞いていた。

が、5月のある日また別の町場のプロデューサーが被災地に支援物資を運ぶ旅をするからカネを出せと言ってきた。カネはちょっと出したが、彼女から教わったのは「被災地への(物理的、精神的な)距離は意外に近い」ということだった。僕は、深津プロデューサーに電話して「ねえねえ、マジすか終わったら被災地に行こうよ、深津さんの車で!」と伝えた。深津さんは面倒見のいい人かつ僕と同様震災と自分の距離をどう図っていいのか見つかっていなかったので、即答で「行きましょう!」と答えてくれた。日程を決めて、それをツイートしたらシブリから連絡があった。「僕も行きたいっす」と浦安在住日本語もその辺の日本人より上手なシブリの参加が決まった。

24日(金)の23時、ENBUゼミの授業を終えてすぐに中野坂上駅に集合。去年さんざん乗せてもらった深津号が待っていた。シブリはちょっと遅れてツレに送ってもらって登場。送ってくれた浦安のお友達がまた昔ヤンチャしてました系のいかついけど笑顔がピカピカのお兄さんたち。シブリ「こいつら、マジすか大ファンなんすよ!」お友達「ゲキカラ最高っす!」僕「いや、どーもありがとー!松井玲奈かわいいよね!」みたいな会話を交わして即出発。朝の7時に現地集合を目指して出発した。

道中気がついた折にツイッターでつぶやいていたら、『Re;mind』でチーフ助監督「ドグーンV」では監督も務めている井上雄介くんから深津宛に返信が。「おれも5月に行った時には福島で線量計が跳ね上がったから、エアコンは切るほうがいいよ!」と。しかし、このメッセージに気付いたのは福島を通過しあ後でした・・・。にしても井上はガイガーカウンターを購入したってことか。侮れない男だ。

僕らが目指したのは岩手県遠野市。ここに遠野まごころネットという組織があって岩手県内の被災地にボランティアを派遣する拠点になっています。行こうと決めてからネットで多少調べたところ、被災地ごとにボランティアを募集していて朝七時に集合すればいろいろと仕事は振ってくれるようでしたが、どこも宿泊に関しては自己責任でテント泊だったり車中泊だったりが推奨されているのでした。遠野まごころネットが他と違うのは、遠野が直接の被災地ではないので多少の余裕があり体育館で宿泊できることが保証されているところでした。シャワーも完備されてるというし、近くには温泉もあるということなので、ちょっと遠いけどここに決めました。

遠野まごころネットでボランティアをするには到着の二日前までにはネットで登録する必要があります。そして各市町村の社会福祉協議会にてボランティア保険(1000円くらい)に入る必要がありました。その他事前の準備としては、ワークマンみたいな作業着ショップにいって手袋やらマスクやら安全靴やら中敷きやらをそろえることくらいですかね。東北もだいぶ暑いと聞いていましたが、行ってみると曇りと雨に当たったためかかなり涼しい。夜は冷え込むのでそれなりの長そでを持って行って正解でした。

(つづく)