アングロサクソンはドイツの興隆を許さない | toyohikobandoのブログ

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前回の「ウクライナ戦争のそもそも論」でアングロサクソン(英米白人)とロシアの関係を簡略に書いたが、もう一つの別な視点も見てみよう。

 

アングロサクソンはロシア恐怖症を持っているのと同時に、ドイツ人に対しても強い警戒感を持っており、強いドイツの存在は許さないという姿勢は明快である。まして、ドイツがロシアと組むことは絶対許さない

これまでEUの中ではドイツが一番ロシアに対して融和的だったのは承知の事実。

そもそも、帝政ロシアのロマノフ王朝はドイツ人ではないか。

 

ヨーロッパの歴史を振り返ってみよう。

弱小小国群であったドイツ人の諸国が統一ドイツとしてのドイツ帝国になったのが1871年。因みに、東西ドイツの再統一と呼ばれるのが1990年。

ヨーロッパ最強国家になったドイツ帝国は、第一次世界大戦によってアングロサクソン連合軍に叩きのめされる。

 

そもそもは、サラエボでオーストリア・ハンガリー帝国皇位継承者夫妻がセルビア民族主義者により暗殺されたことが発端である。場所はバルカン半島で、アングロサクソンの英国や米国とは縁遠い土地での出来事。まして、オーストラリアやカナダ、ニュージーランドとはそれこそ縁も所縁もない場所。

つまり、アングロサクソンはドイツを叩く切っ掛けが必要であった。

この構図はクリミア戦争と同じ。

 

第一次世界大戦の敗戦で膨大な賠償金を課せられたドイツは、それに反発する態で短期間に再びヨーロッパ最強となる。

そして、再び第二次世界大戦によってアングロサクソン連合軍に壊滅させられてしまう。

 

ところが、ドイツは強い。

ソ連邦と東ヨーロッパ共産圏が消滅することでドイツの再統一が達成される。

EUヨーロッパから英国の離脱によって、三度ドイツは西・中欧ヨーロッパ最強国家となる。加えてノルドストリーム2の開通により、安いエネルギー供給可能な資源国家ロシアとの関係がさらに強化され、アングロサクソンが決して見たくない状況がヨーロッパに現出してくるのは間違いない。三度ドイツ帝国の再来である。

そこで、強大なドイツを臨まない勢力は、ノルドストリームを破壊することでドイツ経済を叩きのめすことにする。

ウクライナ戦争によるロシアからの天然ガスを買えなくなったドイツは、ノルドストリームの破壊で他の選択肢を失くし、ショルツはホワイトハウスに呼びつけられバイデンと会談、米国の天然ガスを買わされることになった。

値段はロシアの4倍といわれる。

インフレ率は戦後ドイツ建国以来最高水準、23年は10%近くを記録、GDPはマイナス0.4%。

 

追記:

ノルドストリームと言われる海底パイプラインは、ロシアの国営企業ガスプロムが実質オーナー。ノルドストリーム1は2011年完成。ノルドストリーム2は2021年完成。

2019年以降、アメリカ議会および国防省はノルドストリーム2のプロジェクトに対して警告し、パイプライン建設に反対を表明していた。実際バイデンはロシアのウクライナ侵攻直前に「ロシアが侵攻すれば、ノルドストリーム2を終わらせる」「われわれにはそれが可能だ」と発言している。そして、ドイツはアメリカに忖度する形で、ロシアによるウクライナ侵攻を理由にノルドストリーム2の計画を停止。

世界のメジャーメディアはノルドストリームの破壊者を未だ不明のままにするか、ロシアが自分で行っただとか、奇想天外にもウクライナが行ったなどと捏造ニュースを流しているが、ノルドストリーム2に関するこれまでのアメリカ側の対応を見たり、海底100メートル下での作業技術面から考え、そして、ノルドストリームの破壊によって誰が一番得をしているかを考えると、必然的にアメリカの犯行と考えるのが自然だ。

実際、シーモア・ハーシュはCIAの内部告発を受けて米政府の犯行と発表している。

しかし、メジャーはおろか当のドイツもシーモア・ハーシュの発表を完全無視し、他の犯人捜しをするわけでもなく無かったことのようにしている。