皆様、こんばんは。
料理家&クリエイターの豊田亜紀子です。
本日は、スパイス香辛料アドバイザー&スパイスインストラクターとしてインドの本格カレーである『バターチキンカレー』のレシピをご紹介致します。
素人さんが教えるカレーは、スパイスに無頓着だったりしますが(笑)、私どものように日々、スパイスに触れ、スパイスレシピの研究をしている者にとってはスパイス抜きのカレーなど考えられないことです。
同じカレーと言っても様々な種類のカレーがあり、そのカレーごとに特徴があります。
バターチキンカレーの特徴は、たっぷり入ったトマトと、とろみ付けに使用するカシューナッツ。
そして、スパイスについては、クミンシード、コリアンダーシード、クローブ、ガラムマサラなどを使用します。
スパイスに慣れていないと難しく感じてしまうインドカレーですが、手順を覚えれば意外と簡単です。
ご家庭で本格カレーを作る時、一番初めにお奨めしたいのがこのバターチキンカレーです。
極めて日本人好みのカレーのお味ですから、きっと皆さんにも気に入ってもらえるレシピだと思います。
バターチキンカレー
<材料4~5人分>
●鶏もも肉 2枚(520g程度)
●トマト 3個
(※または、トマト缶1缶)
~鶏肉の漬け置き調味液~
●にんにくのすりおろし 1かけ分
●しょうがのすりおろし 1かけ分
●塩(A) 小さじ1/2
●黒こしょう 強めに少々
●カレー粉(A) 小さじ2
●プレーンヨーグルト 1/2カップ
~カシューナッツ液~
●カシューナッツ 60g
●水 1カップ
~炒め玉ねぎ~
●玉ねぎ 1個
●有塩バター 30g
●クミン(シード) 小さじ1/2
●コリアンダー(シード) 20粒程度
●クローブ 3個
~煮込み味付け用~
●ガラムマサラ 大さじ2
●カレー粉(B) 大さじ2
●はちみつ 大さじ1
●塩(B) 小さじ1
<下準備>
①鶏もも肉はひと口大の大きさにカットします。
②トマトはよく洗ってからヘタを取り除いて8等分にカットします。
③鶏肉の漬け置き調味料の材料(にんにくのすりおろし、しょうがのすりおろし、塩(A)、黒こしょう、カレー粉(A)、プレーンヨーグルト)はあらかじめボールの中で混ぜ合わせておきます。
④玉ねぎは皮をむいてから半分にカットして薄くスライスします。
<作り方>
1.下準備①を下準備③に投入してよく混ぜ合わせて40分ほど常温に置きます。
2.鍋に水とカシューナッツを投入して中火にかけて沸騰させて5分ほど煮込んだら火を止めて蓋をして冷まします。
3.フライパンを中火で熱し、有塩バターを溶かし、クミン(シード)、コリアンダー(シード)、クローブを加えて1分ほど揚げ焼きしてから下準備④の玉ねぎを加えて薄っすら焼き色が付くまで炒めて火を止めます。
4.下準備②のトマトをミキサーに入れてスイッチを押して攪拌し、液状にしたら、半量だけ鍋に移します。
5.4の残りの半量のトマト液の中に2と3を投入して、再度スイッチを押して攪拌してすべてを細かく粉砕します。
6.5を4の鍋に投入して中火にかけて沸騰させます。
7.6に1の鶏もも肉をひとつずつ投入して火を通します。1の残りの調味液も加えて下さい。
8.7の煮込み味付け用のガラムマサラ、カレー粉(B)、はちみつ、塩(B)を投入して5~10分煮込んだら出来上がりです。
<ポイント>
(※1)バターチキンカレーは酸味が強いのが特徴のカレーです。ごはんよりもナンの方が相性が良いと思います。
(※2)お好みで仕上げに生クリーム(分量外)を回しかけると見た目がオシャレです。
日本ではカレーにとろみを付けるために古くからじゃがいもが使われてきました。
しかし、インドカレーにじゃがいもが入っているケースはあまり見受けられません。
インドではとろみを付ける材料としてナッツを粉砕して粉として使用するケースが多いです。
その調理法は東南アジアにも広がっていきました。
その影響を受けなかった日本のカレーもまた日本独自の味と調理法を生み出し、現代、私たちが使用しているカレー粉の製造という道行きを生み出していったんです。
日本人の作るカレーはインドからの伝来というよりは、日本人シェフたちによる『こんな味だった気がするなぁ~・・・』とか、『こんな風に調理していた気がするぞ・・・』という想像と空想の産物なのかもしれませんね。(笑)
皆さんも普段の日本のカレー作りで慣れてしまっている『じゃがいもでとろみを付ける』ではなく、『ナッツでカレーにとろみを付ける』をこのバターチキンカレーで試してみて下さいね。