最近、やたら長女と次女の仲が良い。
少し前までは、長女はむしろ次女の自分勝手な行動を嫌い、喧嘩が絶えなかった(もちろん今でも喧嘩はあるが…)。
ただ、次女はまだ赤ちゃんであるということが、少しずつわかってきたようなのだ。
これは、妻と娘2人での保育園からの帰り道でのお話。
現在、どこかに出かけるときのフォーメーションとして、
【妻が次女を抱っこ紐でだきながら、ベビーカーに長女が座る】バージョン
と
【次女がベビーカーに乗って、長女が歩く】バージョン
の2つが通常のおでかけスタイルとして確立されている。
しかし、次女が歩けるようになってからは(特に近頃は歩きたくて仕方ないようなので)、ここに
【長女と次女、2人とも歩く】バージョン
という、ちょっと面倒臭いフォーメーションが追加されつつある。
なにが面倒かというと、次女の歩く速度が遅いため、何かと行動が制限されてしまうのだ。
さらに、スゴく嫌なタイミングで、どちらかが"抱っこ"や"ベビーカー"と言い出しかねないことだ。
ソレが混んでる電車のなかや、狭い道路なんかだと、いい加減にしろと、
思わず怒りすらもこみ上げてくる。
だからこそ、まだおでかけする際には、抱っこ紐とベビーカーを置いていくわけにはいかないのだ。
そんな1番中途半端な状況にあるので、おでかけには色々と気を使う。
年の差2歳くらいだと、そんなジレンマが生まれるのだろう。
さて、とある帰り道。
ベビーカーに乗っていた次女が、"歩きたい"アピールを開始する。
ママが見てないフリをしていると、長女が歩かせてやろうと提案。
チッ、めんどくせぇな。
きっとママは、そんな風に思ったはずだ。
「◯っちが、手繋いであげるから、だいじょぶだよ」
おやまぁ。
なんて、心優しいお嬢さんだこと。
ママが感心していると、2人で手を繋いでテクテクと歩き出していく。
その後姿は想像しただけでも、思わずニヤけてしまう。
ママも心がホッコリしたようで、微笑みながら長女に問いかけてみた。
「今日は、どうして◯っちはそんなに優しいのかな?」
すると、長女は得意気な顔でこう言った。
「えっ? だって◯◯◯ちゃんは、◯っちの妹だから」
なんとまぁ。
まさかそんな頼もしいコメントが聞けるとは思ってもみなかったので、ママは相当感動したようだ。
ちょっと泣きそうになった。
とも言っていたほど。
確かにそういう成長話を聞くとチョイチョイ涙腺が刺激される気がする。
いや、パパだったら、思わず抱きしめてウルウルしていたかもしれない。
うんうん、今日はエエ話や。
そんな微笑ましい光景を眺めていると、とあるフレッシュジュース屋さんの前にさしかかった。
長女はそこで突然歩みを止める。
そして、ママの方を振り向くと……。
「ママー。◯◯◯(次女の名前)が、ジュース飲みたいんじゃない?」
と、上目遣いで、猫撫で声で、長女が提案してきたのだ。
「ん?」
ママがトボけた調子でスルーしようとすると、
「だーかーらー、◯◯◯がジュース飲みたいんだってばぁ!」
と、ちょっとイライラ気味。
いやいやいや……。
お前が飲みたいんだろ!!!!!!
と、ママは確かに心の中ではそんなツッコミを入れたそうだが、長女の成長っぷりに心を絆されていたので、笑顔で買ってあげたのだという。
そして、ジュースを買ってもらった途端、長女は貪るようにストローに吸い付き、一気に吸引し始めた。
「あー、あー、あー」
ジュースの存在に気付いた次女は、某カオナシさんのように、クレクレクレと要求する。
「◯◯◯は赤ちゃんだから、まだダメよー!」
いやいや、100%フレッシュでしょ、ソレ。
しかしそれでも、ママは長女のさらなる成長発言に期待していたはずだ。
「アー、アー、アー」
いよいよ、次女も本気モードに突入する。
「だーかーらー、◯っちはお姉ちゃんなんだってばぁ!」
えっ、だから何?
お姉ちゃんなんだからジュースを独占できるのだと?
ジャイアンかよ!!!!!!
と、ママが突っ込んだかはわかりませんが、エエ話にはオチはつきもの。
そんなわけで、イイ感じに着地に成功したところで、パパから一言。
成長したかと思えば、後退することもある。
子どもだけでなく、それは大人だって同じこと。
そして、そういう、ひとりの人間の成長物語を、ナマで間近で見られるのだから、これ以上に面白いドラマはないだろう。
ソレが子育ての醍醐味じゃないかなぁ。
って、最近ちょっと思います。
おあとがよろしいようで。
チャンチャン!
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