やはり、3歳女子ともなると、プリキュアに夢中になるお年頃。
1歳アンパンマン、2歳トイストーリーと、男児的趣味を貫いてきただけに、プリキュア好きを公言されると、女子なんだなぁと改めて実感する。
そんな長女がプリキュアにおいて、もっとも興味があることは、なんと言っても" 変身"につきる。
変身。
少年少女時代、誰もが憧れる響きであり、誰もが可能だと夢想していたことのある特殊技能である。
「プリキュアピースのプリンセスフォームになりたい」
それが長女のかねてからの夢であり、いつの日か必ずや達成できると信じてやまない目標でもあるのだ。
さて、そんなとある日、長女は変身するために必要な道具をコンビニで発見してしまう。
何やらお菓子みたいなものがついているよくあるアレ系のものだ。
意外と高くつくヤツ。
どうしてもソレが欲しくて欲しくて仕方がない長女は、渾身のオネダリ攻撃でママの説得に成功。
上機嫌で帰ってきた長女は、さっそくコンパクトミラーのようなものを取り出して、念願の変身にトライしようと試みる。
「………」
「おっかしいなぁ……」
どんなに長女がボタン的なものを押したり触ってみても、いつまで経っても、音楽も鳴らず、キラキラも輝かず、もちろん衣装も変わらない。
「????」
「 ママー変身しないよ????」
いや、そんなこと言われても…正直、
"なんて言ったらいいのか……"
あまりにも答えようのない問いかけに
対して、24のジャックバウアー的な、その場しのぎの言葉しか出てこないママ。
さらに……。
「○っち、ほら、鏡見てみなよ! 変身してるじゃない!」
もうここまで来ればなりふりかまっていられない。
ママは、一か八かの"ノセてノセて自己陶酔させるぞ作戦"を決行。
しかし、長女は鏡を見るなり、不満そうな表情になり、溜め息混じりにこう言った。
「顔が違う……」
ソコ!?
ソコなのか!?
服装とか髪型とかじゃなくて、顔ですか⁉
むしろ、アータの顔が二次元キャラに変わったらホラーですから!
そんなわけで、お年頃の彼女の悩みは、なぜか自分はプリキュアピースと同じ顔に変身できないということ。
3歳にして、なかなか巨大な壁にぶつかってしまったようだ。
先日も、手鏡を覗きながらブツブツとひとり言を呟いていたのを聞いてしまった。
「あれー? おっかしいなぁ。なんでヘンチンしないんだろ?」
いつの時代も、夢見る少女の悩みは複雑なり。
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