次女が風邪をひいていたので、妻が娘2人を連れて病院に行ったときのこと。
病院で次女の熱を計っていると、隣りで長女が突然呟きだした。
「なんか、○っち、風邪っぽいわー」
おいおい、お前は元気だろ。
と、心の中で妻がツッコミをいれていると、さらに長女が続けて……。
「○っちも、風邪だからお薬もらわなきゃだなー」
いやいや、だから君は元気だよね?
あまりにあーだこーだとうるさいので、妻は仕方なく長女の体温も計ってみる。
ピピピッ!
ピピピッ!
「ママ、どうだった?」
凄い勢いでがっついてくる長女。
「○っちー、36度6分だよ。ほら、風邪じゃないでしょ?」
と、諭すママ。
すると、長女はママに対して全力で疑いの視線を投げかけながら……。
「嘘だよ、だって○っち風邪だもん」
嘘じゃねーし!
むしろ嘘つきはキミでしょーが!?
それでも、彼女は一歩も引かずに風邪を主張し続ける。
まぁ、確かに幼少期は仮病使って学校休みたいとかは誰もが経験してるので、気持ちがわからんわけでもない。
が、彼女の場合、すでに本日は保育園から帰ってきてるわけなので……。
正直、まったく狙いが読めない。
風邪のフリをして、手厚く看病されたいのか?
それとも、次女ばかりチヤホヤしてないで、自分も見て欲しいという健気なアピールなのか!?
長女の真意をはかりかねたまま、病室へと案内される。
次女の診察が一通り終わると、自らドクターの前に進み出る長女。
「ん? ○○ちゃんはどうしましたか?」
ドクターが不思議そうな表情で問いかけてくる。
「えっとー、あのー、じ、自己申告です」
ママが咄嗟にそう答えると、ドクターは、
"ハハハハハ"
と苦笑い。
大丈夫!?
ホントに苦笑い?
目が笑ってないとかじゃなかった?
と、心配になるも、地元密着型の素敵なドクターなので、快く診察したフリをしてくれたようだ。
「喉はまぁちょっと赤いかなぁ……」
なんとも言えないといった感じでドクターはさらりと流そうとする。
「おっかしいなー、○っち、風邪なんだけどなぁ…」
とブツブツ。
お嬢さん、いい加減諦めてください。
と、いう茶番劇が診察室で展開され、心優しいドクターは、長女にも3日分の薬を出してくれた。
健康保険の人に怒られそうな話ですが……。
そんなわけで、受付で薬を受け取り、支払いをしていると……。
「ヤッター! ○っちの薬だー! ○っちの薬だー!」
と、飛び跳ねながら大喜び。
ちょ、お姉さん、恥ずかしいから、やめてくれないかな?
と、諭すも膨れ上がったテンションはなかなかおさまらず。
もしかして、彼女の目的は……。
く、く、薬!?
そんな疑念が脳裏をよぎった瞬間だった。
突然長女は体を左右に振りながら、リズムにあわせてこう歌ったのだ。
「くすりっくすりっ、なーなーな♬」
いや、あの…そのテンションは…ちょっと……。
「くすりっくすりっ、なーなーな🎶」
ヤクチューかよっ!!!!!!!!!
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