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棚田:土砂崩れ止める砂防効果 和歌山大、紀伊半島調査
毎日新聞

山林化している棚田で止まった土石流の跡=和歌山県那智勝浦町で、和歌山大提供
 和歌山、奈良、三重の3県で計88人の死者・行方不明者を出した2011年9月の紀伊半島豪雨で、和歌山県那智勝浦町に古くからある棚田が土砂崩れを止める砂防ダムの役割を果たしていたことが、和歌山大の調査で分かった。耕作が放棄されて放置山林の一部になっている所も多いが、減災や防災の面で注目を集める可能性が出てきた。

 和歌山大は豪雨災害後、近畿地方整備局が行った航空レーザー測量に着目。同町・那智川沿いで地表を覆う森林を透視し、地表の高低差を30センチ単位で測定したデータを分析し、現地調査をした。

 その結果、谷になっている4地域の39カ所で土砂崩れ跡を確認。うち21カ所に棚田があり、18カ所が自然の斜面だった。棚田がある斜面では、斜度が約45度ある急傾斜地も含めて約9割の19カ所で土砂が途中で停止。一方、自然の地形で土砂が途中で止まっていたのは半分以下の8カ所にとどまっていた。同町市野々地区では、棚田部分で土砂は止まっていたが、棚田脇の水路では土石流が流れ、集落を直撃して7人が犠牲となっている。

 分析した和歌山大の中島敦司教授(森林科学)によると、自然の斜面は直線的だが、棚田は階段状の構造をしているため、崩落する土砂の勢いが弱まったと考えられる。田の地下には、水の浸透を防いで水を蓄える「床(ゆか)」と呼ばれる層が作られている。この床が、斜面崩壊を起こす最大の要因とされる雨水の浸透も軽減したとみられる。

 棚田は元々、徴税を免れるため役人に見つからないように作った「隠し田」であることが多く、公式の文献に記されることは少なかった。ただ、この地域の江戸時代の絵図には、川に堆積(たいせき)した土砂や谷あいに広がる棚田が描かれ、災害の様子を伝えている。今回の測量では、日照が少なく稲作に不向きな斜面にも棚田が作られていたことや、一般の水田には数十センチは敷かれている土が数センチしかない不自然な棚田があることも判明した。

 地元には「(日当たりのいい)川沿いの田は耕すのをやめてもいいが、谷の田は作り続けろ」という言い伝えが残っており、防災機能を知る住民が積極的に棚田を作った可能性もあるという。中島教授は「棚田に砂防効果があるのは間違いない。耕作放棄が進む今では維持が大変だが、防災面から見直す必要があるのではないか」と話している。【稲生陽】

以上引用

昔の人はすごかった。