来た時以上の笑顔になって | 堺 だいすき ブログ(blog)

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来た時以上の笑顔になって 堺市立健康福祉プラザ生活支援員・大内秀之さん /大阪

「笑いと挑戦を大切にしたい」と語る大内秀之さん=堺市堺区の市立健康福祉プラザで、中尾卓司撮影
「笑いと挑戦を大切にしたい」と語る大内秀之さん=堺市堺区の市立健康福祉プラザで、中尾卓司撮影

 堺市堺区の市立健康福祉プラザを訪ねると、市民交流センター生活支援員の大内秀之さんがさまざまな福祉サービスを提供する施設を案内してくれた。エネルギッシュに「笑顔と挑戦を大切にしたい」と語っていた。

 --どんなお仕事ですか?

 アートのイベントを企画したり、小中学校や公共施設に出掛けて福祉出前事業をしたり。アートでコミュニケーションを、と公募展に「堺アートケーション」と名付けました。作る人の表情が生き生きするといい。将来の展望は地域社会です。近所のおっちゃんに「ええ作品や」と言われると励みになります。

 小中学校に競技用車いすを持ち込んで車いすバスケットボールもやります。子どもたちは「バスケうまいやん」と純粋に知りたいことを聞いてくれます。

 --プラザで働く喜びは?

 いろんな障害者と出会えました。おもしろい人との出会いがここで働く最大の魅力です。好きなことにトライする利用者を応援したい。地域の人も交えて、みんなで盛り上げたい。

 --モットーは何ですか?

 私の理想は、プラザに来る人が来た時以上の笑顔で帰って行くことです。福祉の基本は人間関係。周囲に笑顔が広がると、自分の人生も豊かになります。

 --最も伝えたいことは?

 障害者だからできることを考えてほしい。知的障害者のアートは、奇抜なアイデアに満ちている。人懐っこく、興味ある対象に突き進む姿には、障害のない人が忘れた輝きがあります。

 知らないから、伝えることに意味がある。お互いを知れば、「段差あるから車いす上げてや」と頼めるようになります。

 --「知らないこと」で起きる問題はありますか?

 駐車場の障害者専用スペースに三角コーンが置かれます。私たち障害者が駐車できないと、専用スペースの意味はありません。点字ブロックの役割を知らないから障害物が置かれる。すると白杖(はくじょう)で点字ブロックをたどる視覚障害者は、行く方向が分からなくなります。

 --もっとおもしろくするアイデアを教えてください。

 電動車いすの8時間耐久レースをやってみたいですね。障害者を集めて、富士山登山も企画したい。隣の人と笑い合える関係を大切にしたい。

 「こっちのやり方がいいよ」と提案できると、より一層クリエーティブになります。

 --究極の目標は?

 4月に施行された障害者差別解消法は、障害者に対する差別を解消しましょうという趣旨の法律です。しかし立場の弱い人、困っている人を差別しないのは当たり前でしょう。この法律が必要ない社会を実現したい。

 障害は不便であっても、不幸ではありません。楽しさ全開で生きたいと願っています。【聞き手・中尾卓司】


 ■人物略歴

おおうち・ひでゆき

 1979年生まれ。2012年4月にオープンした堺市立健康福祉プラザの市民交流センター生活支援員(文化芸術担当)。社会福祉法人・堺市社会福祉事業団職員。社会福祉士。