「政治に冷淡な日本人が...」 安保法案の国会前デモ、海外はどう報じた?
8月30日に国会前であった安全保障関連法案への大規模な抗議デモを、多くの海外メディアが報じた。
イギリスのBBCは国会前の現地リポートを含む動画で「こんな場面は日本では前代未聞だ。日本人は政治に対して冷淡だとしばしば言われてきたが、今、彼らが求める声は熱い」と切り出した。「デモの参加者は、法案を参議院で成立させることで、安倍政権は巨大な政治リスクを抱え込むと考えている。目下の疑問は、安倍首相がこの声に耳を傾けているかどうかだ」と指摘した。
「労働組合の組合員と、老いゆく左翼の活動家によるデモが典型的だったが、新たな顔ぶれが登場してきた」と伝えたのはAP通信。「雨の中、母親が子供を連れて戦争反対のプラカードを掲げ、学生は安倍晋三首相と安全保障政策に反対するスローガンを、ドラムのビートに乗せて叫んだ」と、デモの様子を描写した。
韓国メディアも軒並み現地の様子を詳報した。ケーブルテレビ局、JTBCは現地リポートで「日本の国会議事堂周辺を取り囲んだデモ隊。あちこちでかけ声が上がっています。政治的発言を控える日本国民の普段の雰囲気はここでは見られません」と伝えたほか、「国会を包囲した怒った市民たち」(ハンギョレ)、「怒った列島の民心」(朝鮮日報)と、デモ参加者の「怒り」を強調した。
ロイター通信は「2012年夏の反原発デモ以来、東京であった最も大きなデモ」と報じ、世論調査で半数近くが安保法案に反対していることや「この法案を止める動きに参加しなければ、将来、子供に何と説明していいのか」と話す参加者の女性の声を伝えた。
12万人国会包囲、安保法案反対 200カ所で抗議
安倍政権が成立を目指す安全保障関連法案に反対する大規模な抗議集会が30日、全国約200カ所で行われた。国会議事堂周辺には12万人(主催者発表)が集まり、参加者が議事堂を包囲。「絶対廃案」「安倍は辞めろ」と声を上げた。
警視庁は参加者数を発表していないが、関係者は3万人余りとしている。それでも国会正門前の道路は幅広い年代の参加者で埋まり、人の波は霞ケ関の官庁街にまで達した。学生グループ「SEALDs(シールズ)」の中心メンバー、奥田愛基さんは「憲法を守った方がいいというのは利己的な考えか」と訴えた。
野党4党党首もあいさつに立ち、民主党の岡田克也代表は「普通の国民が危機感を持っていると、安倍政権に分からせないとダメだ」と主張。生活の党の小沢一郎代表は「こういう集会に参加したことはないが、今回だけは。危険でばかげた法案を阻止するため力を合わせなければ」と訴えた。与党は11日の参院採決を目指すが、14日以降にずれ込む可能性も出ている。
今国会で最大規模の安保反対デモ 列島各地でも
国会前で参加した人:「何としてでも止めたいという気持ちが強い。何かしなきゃと」「(憲法を)守らないでもいいんだということをやり始めたことが一番怖い」
坂本龍一さん:「いま民主主義が壊されようとしている。憲法が壊されようとしている」
デモの参加者は、主催者発表で今国会最大の12万人でした。一方、東京以外の各地でも大規模なデモが行われました。
名古屋で参加した人:「強行突破というか、そういう感じでやってる感じがするので、少しでも何かできればと思います」「政治家に任せていては、そのままどんどん引きずられていくだけなので、ちゃんと自分たちの声を上げないといけないと思います」
北海道で参加した人:「僕たちが(戦争に)行かなくても、次の世代が行くって考えると、この場で阻止しないといけないのかなという思いもあって来ました」「この子たちの旦那さんとかがやっぱり不安ですよね」
以上引用