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空虚な「大阪都構想」、展望なき危ない賭け
東洋経済オンライン 1月19日(木)11時4分配信
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大阪都構想のイメージ
 大阪府と市の広域行政一元化を目指す統合本部新設、市役所の人件費削減方針、地方自治法改正に向けた閣僚や中央政界幹部らとの面会──。

大阪都と特別自治区(現大阪市)の財源配分の仕組み(案)

 地域政党「大阪維新の会」を率いて、大阪市長・府知事ダブル選を制した橋下徹大阪市長は12月の就任早々から市政改革を本格化している。看板公約である「大阪都構想」の実現に向けた動きが、選挙の勝利という「民意」を得て一気に加速、と誰の目にも映るところが、そもそも大阪再生のためと唱えた「都構想」とはいったい何なのか。大阪の住民は、多くを知らされていない

 大阪都構想とは、政令指定都市である大阪市・堺市を廃止して、大阪府と統合した大阪都にするというもの府と市の二重行政をなくし、都市開発など広域行政を都に一本化することが特徴だ大阪都に権限や財産を集権化する一方、基礎的な行政を特別自治区に移し分権化する。そのため、現在24の行政区がある大阪市を8~9の区にくくりを見直したうえで、区長と区会議員を選挙で選ぶ特別自治区にする方針だ。行政が従来の大阪市よりも身近になればよいことのようにも見える。

 ただ、疑問を呈する声は少なくない。行政学・地方自治論が専門の村上弘・立命館大学教授は「政令指定都市から重要な権限や税収などの財源、施設や土地などの資産を大阪都が取り上げるのが都構想だ。特別自治区は、基礎的権限や財源のみで、以前の市に比べれば格下になる。大阪市の人たちは自分たちの市や財産がなくなることを本当に理解しているのだろうか」と首をひねる。

■全国一の生活保護者数 大きい区間の財政格差

 木造アパートやマンション、小規模工場が混在する下町――。日雇い労働者の町として知られる、あいりん地区を抱える西成区選出の柳本顕・大阪市会議員は「大阪市が複数の基礎自治体に分割されたら、それぞれの自治体が本当に自立できるのか」と問いただす。区の施設や機能が必要になるし、区長も議員も置けば、行政コストが増える可能性すらある。さらに「(大阪市をバラバラにすれば必ず発生する)財政が豊かな区とそうでない区の財政格差をどのように調整するつもりなのか」(柳本市議)。

 大阪市の生活保護受給者数は全国一。19人に1人に上る中、西成区は4人に1人と一段と厳しい。柳本市議は「この区にいるからこそ格差や貧困の問題を肌身で感じる。今の西成の問題は、新しくできる特別自治区では解決できない」と訴える。大阪市だからこそ一体的に行えてきたサービスが、大阪都になれば維持できなくなるとの見立てだ。今のところ、区割りは明確な具体案が出ていない。

 これに対し、大阪維新の会は、財政調整制度によって各区の財政格差を解決するとしている。これは、東京23区と東京都で行われている方法に倣った制度だ。大阪府の「大都市制度検討協議会」で提案したモデルによると、現在の大阪市の収入分である固定資産税や法人市民税、特別土地保有税などを大阪都が徴収して都と区で配分する。配分割合は都39%、区61%。これにより中核市並みの財源を確保するという

■問題多い財政調整制度 税収潤沢な東京と隔り

 だが、全区が納得する振り分けはできないだろう。税収の多い区ほど調整金を多く要求するのは必至。独立した自治体なら「なぜウチの区の税収で、ほかの区の面倒を見るのか」との声が出るのは当然だからだ。そのため、財源の奪い合いという火種が大阪に持ち込まれ、財政基盤の弱い区がつねに劣勢に立つのは明らかとみられている。

 財政調整制度には、さらに問題点がある。調整交付金に地方交付税や臨時財政対策債を組み込んでいることだ。国から自治体への財政補填である地方交付税は、国が基準を定めて自治体に配分する。地方財政論が専門の森裕之・立命館大学教授は「このモデルの場合、国の基準で配分された地方交付税がもう一度、大阪都の基準で調整交付金として特別自治区に配分される。基準が国と都で二重になる」と解説する。

 調整交付金は都と区で分ける前提。大阪市であれば総取りをしていた財源を、大阪都では特別自治区が一部上納しなければならない。都の基準が国の基準を下回る可能性大で、特別自治区は国の最低限の財源保障も受けられないことになる。

 また臨時財政対策債は、地方交付税の財源不足を補うため、交付税を渡す代わりに、借金の起債枠を自治体に与える制度だ将来の地方交付税で償還財源を保証するものの、借金であることには変わりない。あくまでも起債の発行意思は自治体にある。これを調整財源に組み込むのは「大阪都が特別自治区全体の借金を決めて、調整金に組み入れることになる。借金が自分の意思どおりにならない独立した自治体があるだろうか」と森教授は批判する

 お手本の東京都は、大企業の本社が集中し、日本でも突出して税収が潤沢なため、地方交付税を受けていない。したがって、こうした問題は発生しない。これに対して大阪市は毎年、臨時財政対策債を含めれば500億円、大阪府は3000億円規模を地方交付税に頼る。あるメディアは、大阪都構想を「東京都と匹敵する大阪を作る」と報じたが、同じ「都」の名前になっても財源の大きな格差を埋め合わせることはできない。

■成長の具体策乏しく従来型インフラに依存

 都構想は、都知事という一人の指揮官の下に大阪府と大阪市の財布を一つに合わせて迅速に集中的な投資で経済成長を図り、「強くて豊かな大阪」を作るという。それにより、所得を上げ雇用も確保する算段だ。

 しかし、成長のための具体策として、維新の会が打ち出しているのは、市営地下鉄の私鉄との乗り入れ、高速道路延伸、大阪中心部から関西国際空港までの高速アクセス鉄道、リニア新幹線の大阪駅誘致、大阪湾岸の港湾整備──など旧来型のインフラ整備に依存している

 これまで多額の財政出動を要する大型公共事業は、バブル崩壊後も懲りずに繰り広げられ、失敗した前例が山ほどある。大阪府は、2035~38年ごろにバブル後に大量発行した府債の最終償還を迎える。後始末はまだ続いているのに、「借金まみれになるのは目に見えている」という懸念を一笑に付すことができるだろうか

 「大阪はバブル崩壊からリーマンショックを経て、日本で最も傷ついた都市」――。ジャーナリストで『大阪破産』、『橋下徹 改革者か壊し屋か』などの著作がある吉富有治氏は、傷の深い大阪への都構想導入に警鐘を鳴らす。「大阪都にしたからといって経済成長するわけではない。行政の仕組みと経済成長は次元の違う話。論理の飛躍がありすぎる。それより大阪市長と府知事を維新の会で押さえ、府市は首長レベルでの反目がなくなった。これで二重行政は解消に向かう。わざわざ時間もコストもかかる大阪都を実現するまでもない」と語る。

 大阪都構想について、中身の検討も住民への周知も置き去りにしたまま、ダブル選に突入。批判や疑念は、希代の発信力の持ち主である橋下徹氏の「大阪を変えるんですか?変えないんですか?」のキメぜりふ一言で、すべてひっくり返された。一刻も早く、都構想に関する論議を起こし「大阪都イコール大阪再生」といった幻想から目覚め、現実を直視する必要がある。

(鶴見昌憲=週刊東洋経済2012年1月14日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。


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最終更新:1月19日(木)11時4分


以上引用

的確な指摘であろうと思う・・・・。

実質的にダブル選挙によって・・・大阪市と大阪府の反目はなくなった今・・・大阪都というものを作る必要があるのだろうか・・・

双方が協議して・・・政策のすりあわせをすればいい話である・・。

さらに制度設計に関してもまだまだ矛盾もたくさんある・・。

以前も指摘したが・・・大阪都になったら・・・大阪はよくなるのか・・・経済はよくなるのか・・・。

それは政策の中身だ・・・その政策はまったく出ていない・・。

今出ているのは・・・民主党批判しているバラまきである・・・。
もうすぐ、ブーメラン現象が起こってくるだろう・・。




けど・・・堺市・・市長や議会はまだまだ勉強不足のようですね・・。

理論もっと勉強しないと・・・説得力・持ちませんよ