王様は、岐伯に聞きました。

 

「体の中から、寒さが起こるとは、どうしてなるのだ?」

 

岐伯はこたえて言いました。

 

「それは、腎がいつもより強くなっているためです。

腎は陰の臓なので、陰の気が多くなりすぎ、

陽の気は陰の気と比べて、少なくなっていると、寒さが起こるのです。」

 

病には、邪による正の病と、邪によらない奇の病がありました。(王様と本作り4

これは、陰と陽のバランスが正しくないためになる病です。

 

岐伯は続けて言いました。

 

「腎は、五行では水です。

ですから、腎が強いために寒さが中から起こっている人は、

水の中から出てきたように寒いと言います。

 

 

腎がなければ、骨の髄を満たせないことから、

腎が骨を生じると分かります。

だから、腎による寒さは、骨に至ります。

骨まで至ると、とても寒いです。

骨のような狭いところに、陰の気が押し合い、盛り上がるしかないのを痺気と言い、

このために関節がひきつるのを、骨痺といいます。」