今日はちょっと真面目な話をしよう。
うちはちょっと前までは歌うたいやったんや。
ギターを弾いて歌を歌ってスポットライトを浴びてきた。
人前で誰もが注目する中、その興奮を肌で感じてそれを歌うパワーとしてきた。
それは気持ちのええもんやで。
多くの人が自分の、というよりも自分たちのパフォーマンスを見てくれるんや。
アドレナリンが出まくる。
あんな気持ちええことはないな。
特に歌ってたのはブルーハーツの「青空」。
その頃は毎日ギターを弾いてたから、ギターを弾くのが普通だと思ってた。
しかし、コロナでそういう歌う場がなくなってギターを弾かなくなってしまったら、全くギターが弾けんくなってしまった。
自分でいうのもなんだけど、ええパフォーマーだったと思うで。
いろんな場所で歌ったからね。
各区の小文化劇場とか、いろんな施設の舞台で歌ったものや。
あの頃が懐かしい。
いつしか時代は過ぎて、自分の歌う場がなくなってしまった。
もう流行りの歌についていけず、自分たちの時代の歌を歌う歌唱力も落ちてしまった。
もう二度とあんな楽しいことは出来んと思うと切ないな。
だから言いたい。
やりたいことをやるのが毎日を楽しく過ごす方法や。
これに尽きる。
今の苦しい会社勤めなんてなんのアドレナリンも出ないわ。
人前で歌うというパフォーマンスをもう一度演じてみたい。
もう一度ギターを手にして昔のように何でも弾けるようなギタリストになりたい。
しかし、それはもう叶わぬ夢や。
ギターは全く弾いてないから指が動かなくなってるし、歌唱力も昔の3分の1くらいの声量しか出なくなった。
あれだけ自信に満ちて人前に立ってたうちが、今は会社勤めに四苦八苦してる。
惨めや。
もう一度舞台に立ちたい。
もう一度みんなを感動させたい。
もう一度多くの拍手を浴びたい。
しかし、それはもう叶わぬ夢なんや。
時代はうちを通り越していった。
青春時代って本当に短い。
うちはもう二度と歌うたいにはなれない。
カラオケに行ってそれを感じた。
うちは既に優れたパフォーマーではない。
ガラクタや。
あの時見た風景ってのは当たり前だと思ってたけど、うちは素晴らしい場所に立っていたんだと思う。
叶うものならもう一度歌うたいになりたい。
でも、もう無理なんだな。
我、夢を捨てたものなり。
ほなな。