冠山トンネルは全長4.8kmもあり、長い。

分かっていたことだが、走れば何ということのないトンネルだった。もちろん風景も何も無い。

今日はここを目指して来たが、不思議なほど達成感がない。残念と言ってもいい。

初めて訪れる観光客は良いのかもだけど、私はこの辺り、何度も走りに来ているので。

林道の方はまだ長い冬期通行止だが、やっぱりあっちを走りたい。林道と峠の維持を願う。

ただ、これだけ交通量が増えた中に、これからにわかに「林道も行ってみよう」という人も出てきそうで、事故が起こらなければよいが。

今日は見るからにサンデードライバーが多い。

 

福井県池田町に入る。隣は大野市。

岐阜県側も池田町と大野町というのが近くにあっておもしろい。そんな事思うの私だけか。

その池田町に新しい道の駅っぽいのが、ほぼ完成している。オープンも近そう。

かずら橋も人気のようで、駐車場も満車。

辺境の道の割に、経済効果があるようだ。

私は近くに桜の古木を見つけ、写真を。

田舎の風景が好きだが、地元経済に貢献していないのは申し訳ない。

 

R417で武生方面へ。

途中の峠区間で分岐する道に覚えがある。

K248。いわゆる険道。

未舗装の区間が残ることと、道幅が狭いこと。スパイシーな9連ヘアピンがあるというので、わざわざ走りに来たことがある。

ちなみに現在は、全線舗装が完了しているらしい。残念。

が、今は通行止のバリケードがしてある。冬期通行止の期間は過ぎているが。

R417のこの峠区間は新しくトンネルを掘っている。

そうなると、この道も使われなくなり、分岐する険道248にも意味がなくなる。このバリケードは、もう通さないぞ、という意思だろうか。

時代の流れとはいえ、楽しい道が消えていくのは寂しい。

 

越前市(武生)の街へ下りてきた。

かなり久しぶりの信号で停止。滋賀県木之本からここまで、ずっと信号が無かった。

民家も少なく、ツーリングコースとしてはポイント高い。

久しぶりにR8で帰ろうと思う。

いつも使うR365は通行止。冬期のやつではなく、崩れているらしい。直るのはいつになるか、元通り直してくれるのか。

 

道の駅河野。

冷たいおろしそばで遅めの昼食。

桜がまだ満開チック。気温27℃。春をすっ飛ばして、一気に夏に向かう予感もあるが。

 

R8の海岸沿いは入り組んだ道で楽しいが、流れは遅い。

でもゆっくり走っていても、VTR250の穏やかな性格はイライラを誘発しない。

「低パワー、低公害、低ストレス」の感じ。

ここで水曜どうでしょうの初期のスローガン「低予算、低姿勢、低カロリー」を思い出す。

そういえば今の時代、結婚相手に求めるものが、昔の「3高」から「3平」へ、そして現在では「3低」になっているとか。それは「低姿勢、低依存、低リスク」と。

やっぱり私は全く時代に合っていないようだ。リスクばかり高い。

 

桜の季節はこれで終わり。

でも四季の移り変わりだけでなく、道路そのものの状態も変わる。

トンネルが掘られたり、道が崩れていたり、舗装されたり、数年ぶりに来るだけで状況が結構違っている。

個人的には、新しいものを増やすのではなく、古い道をできた当時のように整備し直して欲しいのだが、それはほとんど叶わない。

 

時代に合わせて、自分を変える必要があるのかもしれないが、それは本当に難しい。

でも乗り物を変えるだけで、見えてくる景色も違って見えるのだから、そういうやり方があるんじゃないだろうか、などと考える。

今日1日付き合ってくれたVTR250。家に帰ったら洗車しよう。