鑑定の中で一番多いのは相手の気持ちを知りたいというご質問です。そこからご本人の占い結果をお伝えしているのですが、依頼者様の中にはどんどんと相手の状況だけを聞かれる方がいます。タロットは基本的に依頼者様自身の運命の宣託を出してくるので、私としてはご本人主体のお話をしたいのですが、
相手は仕事はどんな状況ですか?
自分にできることはなんですか?
どうしたら相手を助けられますか?
彼にもう一度振り向いてもらえるために自分は何をしたらいいですか?
これだけ彼に自分をアピールしているのに彼はいつ戻ってきますか?
この共通点、わかりますか?
すべて相手が基準になっていることです。ちょっと厳しい言い方をすると
自分がない
自己肯定感もそうですが、根底に自分がないので、相手や彼で自分を支えている状態です。自分の足で立てないので相手の気持ちや愛情などを松葉杖にして自分を支えている状態。だから相手や彼の態度によってすぐに不安になるのです。自分がないからです。
スピリチュアルなところでよく耳にする自分軸・他人軸という、簡単に言うとそうなります。
ですが私はもっと心理的に、根深いものがあると思ってお話を聞いています。そうはいっても、カウンセリングではないので、鑑定中にあまり突っ込んでお話はしません。私は鑑定に心理学視点を入れていますので、その中でビジョンとして見えたこと、頭に直感で浮かんだことはよくありますが、伝えるタイミングを考えます。そしてその時が来たら、辛口でも切りこんでお伝えします。
また依頼者の内容によってはカウンセリングをお勧めすることもあります。私は占術師なので、本格的なカウンセリングはやはり専門家にかかるべきだと思うからです。巷で占いとカウンセリングを両方できますと看板を掲げており方々を見ると、あぶないなぁと思いつつみています。カウンセリング、つまり心理療法というのは簡単なものではありません。なので私はこれからもカウンセリングを掲げることはありません。
自分がない人の象徴としては、宮崎駿監督の「千と千尋の神隠し」に出てくる「カオナシ」ですね。
千尋に気に入られたくて、なんでもやる、
自分の意志はなくて千尋にひっついて回っています。
カオナシとは自分のない人の象徴でしょう。そのカオナシも後半では自分を確立するために、おばあさんの元で修行することになりました。きっといつか彼の顔は喜怒哀楽で豊かになっているでしょう。自分がどうしたいかも明確になっていると思います。
ジブリ作品にはユング心理学の要素が満載です。いえ、ハリウッド映画でも常に心理学的な要素がふんだんに入っています。見ていると非常に面白く勉強になります。そんなお話はまたいずれ。
