とりあえず2キロ痩せました。
こんにちは、渋谷です。
断食やってますよー。減食1日、絶食1日半の現在、体重は2キロ減ってます。そして、気持ちがすっきり。
水をがぶがぶと飲み、あとはヨーグルトと野菜ジュースを飲んでいます。なので、厳密な断食とは言えないんですけどねー。水だけのやつは本気で辛いんです。でもこれぐらい緩くても、体重はちゃんと落ちてくれるんですよね。
明日からは2日間回復食。この間が大切で、これによってリバウンドするか、より体重が減るかが決まります。とりあえずは大根がいいって新情報を得ましたので、大根と梅干を軸に食べていきましょう。腸がすっきりリセットされるんだって。楽しみ。
身体も軽くなりますが、精神的にも変化があるのが断食の面白いところなんですよね。なんか妙に前向きになってます。世の中の明るいところだけを見たい、そんな気分になってます。
そんな状態だから、今書いてるめちゃくちゃ暗い短編、なんか波長が合わなくなってきた。明るい短編が思い浮かんじゃって早く書きたくなってます。とは言え暗い方ももうすぐクライマックスなので、これはこれで早いとこ仕上げちゃおう。
本も明るいのが読みたい気分です。とりあえず今回は石井遊佳さんの新潮新人賞受賞作にして、芥川賞受賞作の「百年泥」。
新人賞受賞作でいっぺんに芥川賞まで獲っちゃうってどういうことなんだろう!と読んでみたこの作品ですが……うーん、なんかちょっと、私にはよく分かんなかったなあ……。
頭があんまり働いてないので、今回は簡潔に。
主人公はインドのチェンナイで日本語教師をしている女性。男に騙され多重債務を負い、泣きついた元夫に勧められてのインド行きです。タミル語も英語もおぼつかない彼女は、企業の日本語研修の教師として教壇に立っていますが生徒に馬鹿にされっぱなし。
そんな彼女が住むチェンナイに、百年に一度という洪水が発生します。町を流れる川から百年分の汚泥が溢れ、川岸を埋め尽くします。この泥が「百年泥」なんですね。
そんな百年泥からは、彼女の過去の思い出の品があれこれと出てくるんですね。ここはインドなのに、別れた元夫がスナックでキープしてたウイスキーとか出てきます。小学生の時に神社で見た人魚のミイラとか。それらは彼女の「あったかもしれないけれど見ることのなかった過去」の象徴なのだそうで。
他にも百年泥からは、彼女を騙して借金を負わせた男とか、万博の記念コインとかも出てきます。要は、ちょっとしたファンタジーワールドなのね。この世界ではエグゼクティブは羽つけて空を飛ぶらしいですから。インドと大阪で、ガネーシャと招き猫をそっくり贈りあって入れ替えたとか。ちょっと幻想小説のような雰囲気もあるわけです。
そうやって、彼女と教え子のデーヴァラージという青年が、それぞれの過去に思いを馳せるお話です。……うーん、こう書いても何がなんやら分からんなあ。でも、読んでもなにがなんやら分からないお話だったんですよね。断食のせいで頭が働いていなかったのか。
内向的だった主人公と、貧しい過去を背負ったインドの青年。彼らの過去に何があったのかを、百年泥から掘り起こされた品々と共に語るわけです。
でも、だから?っていうね。別にそこに大きな物語があるわけでもない。「自分が見てないところにあったかも知れないもの」に対する郷愁みたいなのを語った作品なのかも知れないけど、そういう概念を持ってない人にはまったく理解できない話だろうなあ。私にもよく分かりません。
表面上を読んだ感じでは、「個性派女子のインドで先生奮闘記!」みたいな作品です。でも、おそらく作者の表現したいところはそれだけではないんだろうけど。
文体は独特で、舞台がインドということもあって、さくらももこさんのエッセイを読んでいるような感触がありました。言葉のチョイスもそんな感じ。多分石井さん、さくらさんが好きなんじゃないかなあ。
まあ……読んでみて損をした、とは言いませんが、おそらく記憶に残らないであろうこの「百年泥」。読み返すことも多分ない。どうしてこの作品が新人賞からの芥川賞なのか……。作者の石井さんの経歴が変わってるから、ていうのが真相だったりするんじゃないのかな。
東大大学院からのインド在住、そして日本語教師。「お?」と思わせる経歴ですわね。もちろん出版はビジネスですので、興味を抱かせる経歴の持ち主を表舞台に上げるのは当然のことでしょう。でも、私には響かなかった。次作があれば読んでみたいと思います。調べてみるとエッセイをいくつか雑誌に発表されているみたいですね。本にまとまれば、ぜひ。
というわけで、断食は続く。楽しい本が読みたいな。
ではまたっ!